浮島伝説・信仰の対象、池に浮かぶ島「新宮藺沢浮島植物群落」@和歌山新宮市

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新宮藺沢浮島植物群落

浮島伝説・信仰の対象、池に浮かぶ島

昭和の時代にある学校の仕事で三重、和歌山へ旅していました。帰る道すがらクルマでいろんな場所へと足を運んでいました。紀伊半島には蟻の熊野詣での熊野三山があり、なぜだかクルマがそこにたどり着いた天川村とか、大峰山と今で言う所のパワースポットだらけだった場所へと。

熊野に行くと必ず出会うのがシカ、キツネの皮を腰に巻いた山伏の人たち。一度困っている山伏の方がいてクルマに乗っけた人がおられます。その人から、熊野信仰やいろんなことをお聴きする良い機会をえました。出会いとはこんなものですね。浮島伝説・信仰の対象、池に浮かぶ島「新宮藺沢浮島植物群落」

ここで信仰というと、日本には宗教は無いという人が大半で、自分が何教なんていう人はいません。だだ不思議に思っている、なぜ結婚式は神前でお葬式は仏前なんだ? 確かに新興宗教の人になかには日蓮宗のお寺で結婚式をあげた友人もいますが。しかし、日蓮宗からその新興宗教は破門されているのも事実。不思議だ、日本の宗教は??と外国の人ならず日本人にもそう思う。ただこの場合は日蓮宗はカソリックでサイモン&ガーファンクルはプロテスタントですね。そして新興宗教は、経済活動だと考えれば合点がいく。

「なんで神社に山伏の人なんでしょう」と私がとうと。「日本は元来、お寺を建てる時にはまず神社さんが地鎮祭で払い給え清めためえです。そして、神社とお寺は一体だったと思います。そして何と言っても日本は自然には逆らえない、だから自然を信仰の対象とする。だから山に祈る山伏なんです。山伏はこうして熊野大社へも行くし、お寺さんにもまいります」と。浮島伝説・信仰の対象、池に浮かぶ島「新宮藺沢浮島植物群落」

ここ熊野の山々は信仰の対象であり、熊野に続く大峰山脈、高野山は山伏の修行の場所である。クルマに乗っけた脚を痛めていた山伏の方と問答をするかのように、私が日頃いただいている宗教に対する疑問にこたえていただきました。

そして、私が宗教に対して熱心だと思われたのか、ここに行くと良いという場所を何箇所か教えていただいた。今から思えば、今風に言うところのパワースポットを教えていただいたのです。

浮島伝説・信仰の対象、池に浮かぶ島「新宮藺沢浮島植物群落」

信仰修行の対象である水に浮いている物体

その中のひとつにここ「新宮藺沢浮島植物群落」がある。熊野速玉大社のある新宮の町の中にぽっんとある浮島。

浮島は島が動く姿から、謎多きパワースポットと私たち先人は考えていたようです。そのため各地にある浮島は信仰の対象になっていたりします。そして不思議なことなんですが、霊山と呼ばれる近くに浮島があるのです。浮島伝説・信仰の対象、池に浮かぶ島「新宮藺沢浮島植物群落」

ここ「新宮藺沢浮島植物群落」は湿性植物の遺体が堆積して、低温の湧き水のためにそれが分解されるのが遅れて泥炭マット状の浮遊物になったものです。昭和三十/1960年代までは浮いて風が吹くと動いていたそうですが、今では座礁しています。

私たちご先祖さまは神聖な水の中にある島などを信仰の対象としてきました。それが安芸の宮島であり、琵琶湖に浮かぶ竹生島であり、この和歌山三重地域なら古座川の河内島です。浮島伝説・信仰の対象、池に浮かぶ島「新宮藺沢浮島植物群落」

島なんていうと瀬戸内海は島だらけですその数、3千とも4千とも言います。なぜ断言できないか? それは島の定義が学問により違うからです。例えば本土と橋で結ばれた国生みの島・淡路島は岬に考えられる学問があります。地続きですから。まぁ人間が考える範囲なんてこんなもんです、まともに自分が正しいなんていうこと自体意味がありません。淡路島は島とついているから島なのだぁ。

浮いてたり、孤立していると何が良いの

もともと火山によってできた日本列島の山に木なんて生えてなかった。それを人間が植林したから林になり森になった。それを自然だという左巻きの人もいますが。それにより花粉症は生まれた。

浮いていたり孤立していると人の手が入らない。だからそこ独自の自然が展開する。これがまた良かったのでしょう。そこで生き残ったウィルス、菌、生物や植物がいて神さまがいらっしゃる。

日本というのは島です。だからそこでしか生き残らなかったウィルス、菌、生物や植物がいる。エプスタイン・バール・ウイルスというウィルスは日本人はほとんどの人が体内に持っていて、あまり悪さはしない。でも白人の方の中には自己免疫疾患を起こし重篤な症状を起こす人がいる。

これって一昔前まで風土病と言われていたものですよねぇ。その地域の人には悪さはしないが、部外者には悪さをする。浮島伝説・信仰の対象、池に浮かぶ島「新宮藺沢浮島植物群落」

伝説や逸話はどうして派生するのか

ここ「新宮藺沢浮島植物群落」にはオロチが住むと言います。父にここへ連れてこられた女の子おいのちゃんは、薪を採りに島へ入っていきます。そして親子で弁当を食べようとした時、お箸を忘れたことに気づいて、島の奥へ箸がわりにする「カシャバ」の枝を採りにいきます。

島の奥へ入った娘がいくら待っても帰ってこないため、怪しんだ父親はおいのを探しにいきます。すると娘がオロチに呑み込まれ「蛇の穴」に引き摺り込まれようとするところでした。驚いた父は娘を救おうとしましたが、底なしの井戸へと娘は沈んでいったのです。

今もその「蛇の穴」はこの浮島の中央にあります。浮島伝説・信仰の対象、池に浮かぶ島「新宮藺沢浮島植物群落」

「おいのみたけりゃ 藺の沢へござれ おいのいのさわの蛇のがまへ」これは神聖な修行の場所を汚してはいけないという観念から生まれた伝説と今では言われています。また修行の地には女性は立ち入れないと言うことも関係しているようです。

。この浮島はその昔、熊野速玉大社の御神体コトビキ岩のある神倉山の聖、山伏が修行する地だったのです。

この浮島今では橋が付いていて渡れます、そして珍しい植生群を観察することができます。

新宮藺沢浮島植物群落 和歌山県新宮市浮島3−48
浮島伝説・信仰の対象、池に浮かぶ島「新宮藺沢浮島植物群落」

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