ずっつと一枚の岩に沿って川が流れ道路が
組織が一つに団結してまとまりが良い様を【一枚岩】のような、と言います。日本一の大きな岩、それを知らない人は多いと思います。私も仕事で関西と三重を行き来する必要がなければ、この岩の存在も知らなかった。三重の仕事の後クルマで帰る道すがら、ドライブ気分で色々なコースをたどりました。
当時はまだ道の駅なんてものもなく、この一枚岩の周りは山しかなかった。今でも山があって、ポツンと道の駅「一枚岩monolith」↓があるだけですが。古座川を国道371号線を上流へ遡ること18キロで、高さ約150m・幅約800mの一枚の巨岩が現れます。ただ岩の間に木が茂り、コケも生えていて、どこからどこまでが一枚なのか、クルマからだと分かりません。
日本一の岩の塊
マグマからできた火山灰や火山礫などが固まってできた火砕岩で、硬いために風化することもなくずっと岩のカタチを保ったまんまで、古座川の横に鎮座していらっしゃる。約1500万年前「熊野カルデラ」形成に伴い流紋岩質マグマが地表へ噴出する際の通路として、延長20km以上にわたる「古座川弧状岩脈」が形成されたと言われています。
キテレツ天然記念物・高池の虫喰い岩
どんな地質であってもこのように形成された岩体は、断層、節理、風化などによって大きな岩体のまんま残存することは稀で、このような巨大な一枚岩は貴重であることから、昭和16/1941年に国の天然記念物に指定されていますが、人気薄です。まぁ見た目が地味ですから、単なる岩ですし。でも日本一! これほど大きな岩がたった1枚であるなんて信じられない、自然のパワー、圧巻です。
訪れるには不便ですが、すごい
一枚の岩盤としては佐渡島の大野亀、高さ約167mや屋久島の千尋の滝、高さ約200mで幅約400mとともに日本最大級と言われています。だけど、あまり知られていないのが、またいいのです。確かにクルマ、バイク、自転車でもなければ行くことが不可能ですから、不便。また交通量は少なめです。
古座川流域はサイクリングをするには最高の場所です。サイクリング好きな私はJR古座駅起点に古座川河口から自転車を走らせました。国道や県道を行くのではなく、自転車なら人道も通れますから古座川沿いの対岸にある道をお勧めします。
実は私が中学生の頃から通っていた自転車屋の親父さんがこの古座川出身で、自転車屋の親父さんとサイクリングを楽しむコースの一つになってます。「コザなんて沖縄みたいな名前だねぇ」と聴くと「いやぁまんざら、沖縄と関係なくもないかもしれない。座って中心地みたいないい場所で、その昔は神の座なんて言われ方もしていたよ。沖縄コザも沖縄の中心みたいな所でしょ」と言います。
確かに和歌山、三重は熊野古道の古くからの祈りの場所。そして岩を信仰の対象にする文化も一千年以上前から存在している。1.熊野詣での熊野速玉大社の御神体であるゴトビキ岩。その男岩に対して女岩とされているのが2.日本最古の神社とも呼ばれている花の窟。3.弘法大師空海の逸話で有名な岩の柱が海中に40本も突き出た橋杭岩。この三つはぜひ一度はご自身でご覧になって、パワーを感じてもらいた岩です。
古座川一枚岩 和歌山県東牟婁郡古座川町相瀬290