上善は水のごとし
祇園まつり、と言うから舞妓さんや料理屋さんのイメージがあってイイんだなぁ、これが。誰でも一度は訪れたことがある、京都祇園の町。そこに鎮座する神さまが祇園さん。西日本や関西では神社を発音しないことが多い。関西人と他から来た人が分かるのが、八坂神社と言う人は関西人ではない、祇園さんで通る。
京都の大学へ関東地方からやってきた人も、初めのうちはわけわからず八坂神社なんて言ってはる。そのうちに馴染んで、親しみをこめて神社とは言わなくなる。祇園まつりを舞妓さんや芸妓さんのお祭りだと思っていたスゴイ友人もいた😀後日談で彼は「都をどり」を祇園祭だと信じていたとか。
もう一つ、地方から京都に来た学生の??が「なぜJR京都駅はさびれてんの?」これに答えて言っていたのは、君の町でもJRの駅って少し街中から離れたところにない? それは駅から他の地方の人が感染病を連れて入ってくるから。そんな理由で町中から離してあると僕は社会の先生から聴いたことがあるよと。
今ではどこも町のメインターミナルも、国から払い下げてもらった安い土地を利用してホテルと商業施設が建ち、最近でこそまちなかの雰囲気だけどねぇ。日本的な街なかではないなぁと。
なんで祇園さん、八坂さん?
このわけとやらを、社会の先生から聴いたことがある。もともとやさかさんにしても、インド仏教の牛頭大王もおまつりしている。つい最近の江戸時代まではお寺と神社の境い目などなかった、と。
京都では今から1200年ほど前の貞観時代に疫病が流行した。そのために朝廷は思いがけない死を迎えた者の御霊による祟りを防ぐための、鎮魂のための儀礼である御霊会/ごりょうえを開催。その際におまつりしたのが牛頭天王。
お釈迦さまのいらっしゃった「祇園精舎」の守護神が牛頭天王。祇園精舎と聴けば、お釈迦さまよりも、日本人なら平家のかなしいお話だけど。「祇園」って、いろんな意味で日本人なら知らない人はいない言葉だし、一度はどんなところか行って観たいと思うのが心情なんだろうなぁ。
祇園まつりは八坂さんのおまつり
元々は「牛頭天王社」だった祇園さん。一般的にあまり八坂神社と言わずに祇園さんと呼ばれるのは、八坂神社という名称が明治政府からつけられた俗名みたいなものだから。御神体で仏教色のあるものは廃止するのが明治政府が行った「神仏分離令」。牛頭天王は仏教の神さまだから、お役人の世界では廃止ということです。
日本では判官びいきというが弱いもの、不運な目に遇った人をおもいやる心がある。たたりによる疫病蔓延という図式もそうで、菅原道眞公が藤原氏によって福岡へ左遷され、その祟りから左遷させた藤原氏一族が雷に打たれたり疫病にかかり次々と死んでゆく、それを案じた天皇朝廷側が鎮めるためにおまつりを催す。
疫病を鎮めるために、おまつりをしたわけですね。祇園祭りで鉾を街中曳き回すのは、土地を鎮めるため、地鎮祭の時に土打ちをするのとおなじです。一説にはおまつりをすると人と物資が動きますから、疫病で弱った経済を活性化させる起爆剤で行ったという人もいますね。
例えば、お祭りの時に神社に「金○円」と。あれって祭りで湧いて来たお金を、神社に投資しているわけですよね。今ならコ●な給付金見たいなもんでしょうか、それが今ではFXとやらに化けるんでしょうか、本当に必要な人やところへ行っていない、あほですねぇ。
この牛頭天王を祀っているのが祇園神社。ちまきに書かれているお札の蘇民将来も
旅の途中の宿を貸して欲しいと、みすぼらしい身なりの人がある兄弟それぞれの家にやってきた。弟のお金持ちの巨旦将来は断った、そして貧しい兄の蘇民将来はこころよくこの人に寝食を提供した。
そのみすぼらしい人は、実は速須佐雄能神/スサノオの神と正体を名乗り、蘇民将来に「茅の輪を付けていれば疫病を避けることができる」と教えたと言われているのです。神社で夏越の茅の輪は、ここから来ています。
ちまきや地方によっては注連飾りなどに「蘇民将来」と書かれているお札をつけますが、これは蘇民将来の末裔ですよということで、疫病を避けるということです。
八坂はんへお参りに
京都の大繁華街である四条通りのどんつきにある朱塗りの門が八坂さんですが、ここでお待ちを。これは横からの門になり、正門はここから清水さんよりに南に行ったところにあります。初めてお参りされる方は正式な入口・南楼門から入られた方が良いかとおもいます。こちらはひっそりとした佇まいですから、気持ちも落ち着きます。
京都では舞妓さん姿に変身させてくれるスタジオがありますから、そこで着付けしてもらって、ここ南楼門あたりで撮影されるのも良いですよ。それからオススメはこの南楼門の横にお茶屋さんがあり、学生時代に甘いものを食べました。
疫病にこれだけご利益のある神社さんですから、ぜひ一度はおまいりしてみてください。
八坂神社 〒605-0073 京都府京都市東山区祇園町北側625