熊野灘をのぞむ速玉
熊野という地名は何かひきつけられるものがある。仕事で熊野にいくことが多くなり、その度に熊野のヤシロにお参りに行った。三つのヤシロの中でも町中にあるのが熊野速玉神社。初めて訪れたときに、なんだか元気が出るような気がした。それはご神木にもなっている立派な木をみせていただいた時だが。みなさんも一度、ご覧になられたらいいとおもいます。
樹齢千年と言われるほどの大木のナギの木は、熊野権現さまの象徴として祀られています。その名前が「凪」の海の良い状態を表すために、船乗りに信仰されている木です。東日本では生息するのがむづかしくナギの代わりにモチノキを神木として植えてある場合もあります。
そして失礼な話だが、神社さんのその名前の不思議さ。「速い? 玉?」変な名前だなぁと。その時にお宮のかたにお伺いしたのだが、なぜこの名がついたのかは解らないと。「玉」というのは、霊魂や命をさすことはわかるけど。はやいというのがわからない。
タマシイをよみがえらせて
素早いの「速い」なのか。『魂が抜けた亡骸に霊魂を呼び戻し再生させる大いなる呪力』で、つまり甦る力を授かる速さ、なのか。そうだとすごいパワースポットだなぁと、単純な私はおもってしまう。
この地勝浦町には、渡海船に乗り海へくりだし、そして願いを叶えると言う補陀洛山寺と言う有名なお寺がある。渡海船は熊野速玉神社の中にも書かれているのも不思議で。熊野にある三つのヤシロの中ではもっとも神社じんじゃしている雰囲気だが、熊野三山はどう考えても仏教的な要素も深いと感覚的に感じるのは何故なんだろう。超絶パワースポット、カエルの形をした石が御神体の神倉神社もぜひここまで来たら、訪ねてみてください。
なぜ人は蟻の熊野詣でと言われるほど集ったのか
熊野詣が流行した時代、病を治す方法のひとつに甦りを願い、人は参ったのではないのだろうか。熊野は山も深いし和歌山をドライブしたことのある人ならわかるだろうが、海まで山がせり出している。そしてくねくね。台風も多く上陸する。私は熊野から関西へ台風の中帰るのに名古屋経由で帰ったことも。それほど自然に逆らえない地域。
病の身の上で険しい山々を歩くことで、身体が甦る人もいるだろうことはかんがえられるだろうし。そして、この速玉神社にたどり着いた時、あの木をご覧になられて、元気をもらえたんだろうなぁ。不思議な気がする旅をあなたもしてみませんか。
〒647-0081 和歌山県新宮市新宮1番地
オープン/8時から17時