宇宙から来た神=鞍馬天狗のお寺さん
鞍馬天狗のいたお寺さん、と呼ばれるのが京都の山の里碁盤の目の北東にある貴船の鞍馬寺。宇宙から来た神が降臨した場所とも呼ばれてパワースポットファンには聖地とまで言われています。天狗のような姿をした「護法魔王尊」が降り立った鞍馬寺の聖地。それがここ翔雲台↑写真。日本の岩石信仰の一つです。
お寺さんとしての歴史は鑑禎上人が白馬の導きで当山に至り毘沙門天を感得して草庵を結んだのが始まりとされています。鞍馬弘教の総本山であり、宇宙の大霊、尊天を本尊とする信仰の浄域です。
鞍馬天狗はどうして生まれたのか
鞍馬といえば天狗さん。宇宙人と呼ぶ人もいれば、武道に長けた人が、天狗のお面をかぶり身元を伏せて悪を退治する。そうスーパーマンのような、バットマンのような、でもちょっと違うなぁ。仮面をかぶるということは、別人格になり秘密裏に事を起こせるという利点が。また、忍者とも言う人もいます。かげを隠した刺客とも。
また鞍馬の天狗さんといえば、ここで修行したと言われるのが牛若丸。悲劇のヒーローとも言われている源義経こと牛若丸。林の中を飛び跳ねて石を切ったり剣術の修練をする姿、最近でもマンガでありますよね。そう『鬼滅の刄』。その牛若丸に剣術を教えたのがこの鞍馬天狗・鬼一法眼こと鞍馬山僧正坊さん。
牛若丸はここ鞍馬で修行して、木と木の間を自由に飛び回り、そして剣をふるった。唱歌「牛若丸」にもある歌詞。「京の五条の橋の上、大のおとこの弁慶は、長い薙刀ふりあげて、牛若めがけて切りかかる。前やうしろや右左、ここと思えば、またあちら、燕のような早業に、鬼の弁慶あやまった」と。
源義経の一面
鞍馬天狗・鬼一法眼の手もとには兵法書『六韜』があり、それは誰の手にも触れさせないものでした。秘法が書かれていたもので、これを手に入れたいと考えた源義経はどうしたか。
棟梁の娘・皆鶴姫と情を交わし「二人の関係をばらされたくなければ、これを盗み出せ」と脅して、秘宝を手に入れた義経は鞍馬を後にしたという。
近うて遠きもの鞍馬の九十九折の道
鞍馬寺は、8世紀末に鑑真の弟子・鑑禎が毘沙門天をまつり、北方守護の霊地として始まったのが元と言われています。
鞍馬寺は山の上にあります。叡電「鞍馬駅」は小規模ですが門前町の雰囲気があって鞍馬名物の「木の芽煮」「牛若餅」が人気。
俗界から浄域への結界とされている鞍馬寺仁王門からは高低差が160メートルのぼり坂で歩き慣れていない人にはきついくらい少し急ですが歩いて登ることをオススメします。歩くのが苦手な方にはケーブルカーがあります。
阿吽の虎
珍しいのがこの仁王門を守るのが狛犬ではなく、阿吽の虎。虎は毘沙門天のおつかいとされています。ここ鞍馬寺は「毘沙門天」をお祀りしているため。
鞍馬寺への山登りの途中には10月22日「鞍馬の火祭り」サイレイ、サイリョウで知られる由岐神社があります。鞍馬山は高さ580メートル。山頂部分に鞍馬寺の金堂があります。金堂前には、金剛床と呼ばれる「六芒星」↓の石畳があり、ここが鞍馬山で宇宙からの最強のパワースポットと呼ばれています。
鞍馬寺から貴船神社までは山越えのハイキングコース、約1.5キロ、所要時間は鞍馬からは下る感じで1時間と少し。
【鞍馬寺の御本尊】
月輪の精霊であり慈愛の象徴である千手館観世音菩薩
太陽の精霊であり真智の光の象徴である毘沙門天王
大地の霊王であり活力の象徴である護法魔王尊
この三身を一体として「尊天」とよんでいます。
鞍馬寺 京都府京都市左京区鞍馬本町1074
アクセス/叡山電車「鞍馬駅」すぐ
拝観時間/9:00~16:30
近うて遠きもの鞍馬の九十九折の道、『枕草子』清少納言