「弓弦羽神社」は、だんじり祭りで神戸では有名な神社です。どうしても全国的にはだんじり=岸和田ですが、どこかがニュースにすると、二番煎じで同じようにあおる。これってマスコミが作り出したもの。西日本では各地でだんじりのお祭りがあります。神戸東灘のだんじりはここ弓弦羽神社だけでなく、カタカムナで有名な保久良神社さん、東明八幡宮などいろんなところでだんじり奉納がおこなわれています。
この奉納がわからない方へ。広島の宮島でカラスのような衣装を着た人が海上舞台で舞っている姿を、なんとなく知っていますよね。これ、かみさまへ芸能を演舞して、楽しんでいただこうというお祭りですね。そう天岩戸の前で裸で踊ったのがこの始まりです。神社のお祭りは楽しいし、何と言っても祭りこそがパワースポットとも言えます。一度ぜひゆづるは神社の広い境内で行われる御影のだんじりを観てください。
ここ【ゆづるは】そうです今では日本中のアイススケートファンの聖地と成っています。華やかな女性ファンの陰に隠れてしまいますが、ここはビッセル神戸やINAC神戸レオネッサの方がおまいりに来られます。そうゆづるは神社のシンボルはサッカー日本代表でおなじみの3本足の八咫烏。八咫烏の「ゆづ丸」くんも人気です。意外に知られていないのが日本サッカー発祥の地が「神戸御影」であること、境内の御影石のサッカーボールが目印ですね。
それだけでなく「灘」といえば、日本酒。六甲山系から流れ出た宮水で造られたお酒が超有名です。本殿前で「灘の酒造りの唄」の奉納なども行われます。
なぜだんじりをひくのか
だんじり=京都のヤサカさんのお祭り、山鉾巡行。それは京都の街中にいまとおんなじようにウィルスが蔓延した。流行り病で亡くなる方が多くなり、それをしずめようと始まったのが山鉾巡行。街中曳き回すことで土地を鎮めようとする行為、地鎮祭も似たようなものですね。そういう文化が私たちの美しい国にはあるのです。それはその流行病で亡くなられた人たちを忘れないためでもあるのです。
神戸のだんじりは、阪神淡路大震災で亡くなられた方々をいつの時もゴールデンウィークなれば思い出しますよというお祭りでもあるのです。
なぜ羽生結弦選手はここで祈りを捧げたのか
阪神淡路大震災、そのあとも日本では震災が起こります。とんでもない東北大震災、東日本大震災。死者は震災関連死は除いても1万5899人、行方不明者は2526人。平成23/2011年春、日本人誰しもがこころ穏やかでない状況におちいったのです。
その時、大好きなスケートをもう辞めようかとしていた若者がいたのです。『こんな時にスケートをしていてよいものだろうか』と自問自答した一人の若者が羽生結弦選手なのです。
彼は東日本大震災直後に、阪神大震災の神戸のポートアイランドにあるスケート場でのアイスショーの出場があったのですね。その時にお母さまが「名前が同じ神社があるから行ってみたら」とすすめたのが弓弦羽神社とお聴きしました。
神社にお参りするという行為は、人間の智慧を超えたものを与えてくださるから、誰しも日本人は祈るのですね。自分自信を見つめ直す行為と呼ぶ人もいます。また自然に対する畏敬の念と呼ぶ人もいます。
スケートをもう諦めようとしていた、一人の若者。彼がその後もスケートを続けてくださったから、どれだけ震災で心を痛めてしまった人を力づけ、勇気づけたか。私自身も阪神淡路大震災でマンションが全壊したのですが、羽生結弦選手のスケートリンクで輝いている姿をみせていただくたびに、フゥッと何かしらシアワセを感じるのです。東日本大震災にたまたま出遭ってしまった方も私とおんなじ気持ちだと。人ひとりの力なんて、けし粒くらいの力かもしれませんが、それがたくさんの人を救うのですよね。
震災にたまたま出合ってしまった方へ
パワースポットというのは有ります。そこへ行けばわかります。ぜひ、地震で心が萎えてしまった方はここ弓弦羽神社へ、できればゴールデンウィークの5月3日からのだんじりの時季に来ていただければ、きっと心が穏やかになります。バカ言うな、という人もいるでしょう。でもそういう人は自然災害にはたまたま出遭ったことがない運の良い人ですよね。
人間なんて、みんなちょぼちょぼ。自分が知ってる事実なんて、ちっぽけなことですわ。だって『神戸には地震はこない。火山も近くにないし』と多くの人が言っておられましたよ。火災保険の地震特約なんてつけている人は私の周りでは居なかったですね。ばかですねぇ、神戸には温泉湧いてますからね。
今の神戸の姿をご覧になると、え?大地震と思われるかと。人の力は凄いものですね。すっかり穏やかな生活に戻れている。その陰には震災直後から道路やガス管を直してくださった方、線路を引き直してくださった方、崩れた建物に突入してくださった方、それ以外にも多くの人のちっぽけな力が集まっているから。
私の知っている方に、阪神淡路大震災でご子息をなくされたトラックの運転手さんがいます。その方は東北大震災直後、物資を持って何度も運ばれた。「息子にできることといえば、これくらいのことだから」と、ほんと頭がさがります。人からこうした気をいただくことで、人は人として生きられるのかもしれません。
ゆづるは神社〒658-0048 兵庫県神戸市東灘区御影郡家2丁目9−27