おじゃる丸のモデルマロ魔界と現生を行き来した小野篁、お盆には京都六道さん@Kyoto Japan

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おじゃる丸のモデルマロ小野篁、京都六道さん

おじゃる丸のマロ小野篁

ヘイアンチョウ妖精界の貴族の子・おじゃる丸がエンマ界にある「月の穴」の井戸から現世の月光町に行き来するマンガ。不思議なことに実存する人物で平安時代に、井戸を媒介として閻魔大王の住む魔界と現生を行き来した人がいます。それが小野篁、延暦21/802年-仁寿2/853年12月22日(太陽暦2月3日)。

六道珍皇寺

おののたかむら

人間は何に感動するのか、それは空気感というか、微細な渦のようなものでしょう。パワースポットなんて言うけれど、そんなものは無いと言う人もいます。狭い自分の頭の中で考えることが正しくて、自分の頭で理解できないことは全てがウソなのだとでも言いたげに。

おじゃる丸のモデルマロ小野篁、京都六道さん

奥にある石の井戸が入り口

ならばなぜ今の世まで、あの世とこの世を行き来した井戸が後生大事に残されているのか。まっすぐの道を作った方が便利なのに、どうしても切り倒せない木や岩があってそこだけ道が曲がっているとか。それはなぜ? なん。

あの世と繋がっているお寺、六道さん

六道珍皇寺、通称「六道さん」は、あの世とこの世が繋がっているお寺さん。平家ゆかりの六波羅蜜寺のご近所さん。この周辺は平安京時代の火葬地でした。鳥部野/鳥辺野の入口にあたり、現世と他界との界にあるので、「六道の辻」と呼ばれています。六道珍皇寺

「六道」とは、仏教の教義でいう地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道の六種の冥界をいい、人は因果応報により、死後はこの六道を輪廻転生する、生死を繰返しながら流転するということです。そして六道珍皇寺が六道の分岐点です。

地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道の六道を輪廻する衆生を救う菩薩さまというのが地蔵菩薩さま。六道はある時期新興宗教団体SGに「地獄道に落ちるから勤行を唱えなさい」と利用されたため、毛嫌いされる方も多いのですが。それはお金儲けのために利用する側が悪いのであって、その存在というか考え方は平安時代から令和の今も残っているので。おじゃる丸のモデルマロ小野篁、京都六道さん

小野篁はこの「六道さん」の「冥土通いの井戸」から魔界へと

母親の霊に逢いたい、その一心で小野篁は夜な夜な地獄へむかいます。そこで餓鬼道に堕ちて苦しんでいるお母さまを助けようと、閻魔大王に直談判します。閻魔大王も小野篁を気に入り地獄の役人・冥官にするのです。そして、彼は閻魔大王に仕えたのです。まぁお母さんを助ける代わりに、俺の仕事を手伝え式でしょうか。

六道珍皇寺

地獄の冥官となった小野篁、彼のすごいところは自分の母親だけでなく、そこで苦しむ民をどうにか助けたいと考えた。地獄で苦しむ衆生を救済する地蔵菩薩をみた彼は、地蔵信仰をこの世で広めようと。そこで六体の地蔵を彫ったのです。京都の地名で「六地蔵」というのは、この六道に落ちた人たちを救う六尊のお地蔵さまなんですね。おじゃる丸のモデルマロ小野篁、京都六道さん

地獄に落ちた人、母親を助けたい一心で地蔵菩薩をつくる小野篁に感心した後白河法皇は「王城鎮護と旅人の路上安全のため京の出入り口に篁が彫った地蔵を祀るように」と平清盛に命じたと伝えられています。平清盛公は疫病や戦火ではからずも無念に死んでいった人たちのことを、気にしていた。六地蔵などいたるところへ、篁の地蔵菩薩を置くことを推進したのです。これが、まつりごとに携わる人のありかた。六道珍皇寺

盂蘭盆会/うらぼんえには六道さんへ、そしてお墓まいり

ご先祖さんと繋がる盂蘭盆会/うらぼんえ「お盆」。盂蘭盆会の語源がウランバナ。

ウランバナの意味はなんと逆さ吊りのような苦しみ。それが今ではお盆で、ご先祖さんがこの世に帰ってくる。この世とあの世が繋がりやすくなる、それが8月15日。ウランバナのことを書いている『盂蘭盆経』があります。そのお経に書かれていることに、お釈迦さまの十大弟子の一人であるの目連尊者モッガラーナがある時夢を見る。それは地獄でお母さんが逆さ吊り刑にあい苦しんでいる姿。神通力がある菩薩である目連尊者は高い悟りをひらいている方、その方をしてもお母さんを助けることができない。六道珍皇寺

目連尊者はお釈迦さまに尋ねました。お釈迦さまは「自分のご先祖さま、お母さんだけを救おうとするのではなく、多くの人を救いなさい。それによって自分のご先祖さまも救われる」と。なんだか似てませんか? マロ小野篁がエンマ大王に言われて、地獄に落ちた人たちを救うために地蔵菩薩を自分で彫り、そして京都の町に設置したことに。

彼が閻魔大王に仕えていたと言う話は『今昔物語』『元亨釈書』など多くの文献にも掲載されていて、神通力を持った不思議な人物が小野篁だと、ただ彼は罪を被されて島流しになるのですが。おじゃる丸のモデルマロ小野篁、京都六道さん

不思議な鐘の音が聴けます

六道さんには珍しい梵鐘があります。そのお姿が見えないのです。四方が壁に囲まれていて、壁の穴から伸びた綱を引くと「ボワァアン」と音が聴こえてきます。この不思議な音が十万億土の冥界まで届き、亡者の魂を呼び寄せると言われているのです。六道珍皇寺

祇園まつりからお盆の頃になると、六道さんを訪れて鐘をつく人が多いと言われてます。私もその一人ですが。それはもう会うことができない、身内の人を想ってのことでしょう。おじゃる丸のモデルマロ小野篁、京都六道さん

和田の原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人の釣り舟

『小倉百人一首』にある参議篁/小野篁のうた。隠岐国に流されける時に詠んだうたで、ひろびろとした海へ、多くの島々をめざして舟を漕ぎ出して参議篁は行ったと、京の都にいる人々に告げてくれ、漁師の釣舟よ、と何もかも失い失意の中で隠岐に流される時に詩を詠んだのですから。おじゃる丸のモデルマロ小野篁、京都六道さん

六道珍皇寺 臨済宗建仁寺派の寺院で山号は大椿山。
〒605-0811 京都府京都市東山区大和大路通四条下る 四丁目小松町五九五
おじゃる丸のモデルマロ小野篁、京都六道さん

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