瀬戸内の静かな海と向かいにある島に渡る渡船
人には不思議だけれど、幼い頃から訪ねていた町に、気がつくと何度も何度も行くことになっている町がある。私には尾道がその町。大林宣彦監督の『さびしんぼ』や『時をかける少女』が上映されて誰もが「尾道に行きたい！」と思ったときに、研究室の後輩の一人が尾道出身っていうこともあり「それじゃぁみんなで尾道散歩をしよう」ということに。
私のクルマに乗って男4人で出かけた。地元の後輩が尾道映画撮影スポットを細かくまとめてくださってるパンフレットを手にいれてくれてて、尾道を散歩した。今では【聖地巡礼】なんて言うけれど、当時はそんな言葉はなかった。
聖地巡礼のはじまりは尾道
「あ！ ここであのシーンが」そんなこと言いながら、尾道出身の後輩は「なんでこれがめずらしぃん？」「渡船に乗る女子高生の自転車が」「エ？？」そんなこと言いながら彼女をモデルに撮影してた。
尾道駅前に住んでる研究室の後輩と彼女の尾道の友だちは、男4人が自分の町にやってきて、そこを褒めそやすんだから嬉しそうな顔をしながら、オタクな男4人に合わせてくれる。
尾道水道
子どものころ尾道来たら、オコゼの唐揚げを食べさせてもらって、美味しかったわぁ、と言ったら「マコさん、そんなえぇもん食べさせてもらってたの」シャコも大好き「もう、シャコも大きなのがとれないくらい、瀬戸内海キレイな海になりすぎて。それに行商で魚を売る人も少なくなって」と。
「じゃぁ映画のワンシーンのように撮影しよう」
「こんなとこで撮影してたら知ってる人にみられたら、何しよんと言われるわぁ」それでも、みんなでワイワイ言いながら、映画とおんなじことをすることが楽しかったりして、後輩たちは青春してた。
彼女に思いを寄せる後輩を見ながら、そのシーンを撮っている自分がなんだか、微笑ましくおもえたり。自分だけのこれこれ、って尾道の絵を、みつけたり。
今ではマンガやアニメのバックの絵を観て、それがどこかを確定してしまう人までいるんだからスゴイなぁ。「聖地巡礼」なんて言うけれど、実際現地に行ってみて初めてわかることもあるからね。
あざとい今では撮影地を斡旋するような部署がお役人様の現場に出来て、少しそれは違うなぁと言う気もしないではないけれど。税収を増やすためにやっているんだろうけど。そこには書き手や撮る側の気がなかったりするから。安直だなぁと。物語の誕生となんら関係ないドラマのない場所に誰が行く？ 「根本」の考え方が幼稚すぎるんです。「そうじゃないだろう」と怒る人がいないんダァねぇ、終わってる。
尾道の一番のオススメは【１円ぽっぽ】
ぽっぽとは「船」。さすがに今の時代1円じゃ乗れないけれど、それでも人と自転車で70円。片道運賃は大人60円、小児30円。福本渡船は、高校生の通学の足。始発は朝6時半から、時刻表はなくて最終の20時まで10分間隔で尾道本土側と向島間を約三分で結びます。映画の中でも幾度となく登場しますよね。
チケットはなくて、船内で料金が徴収されます。現金のみです。尾道の渡船は数カ所ありますが、ここ福本渡船を旅行者なら乗ってみて。クルマと一緒にもちろん乗船できます。車輌は普通車が100円です。ちなみに向かいの島には、橋もかかってます↑。福本渡船は大林宣彦監督の映画『ふたり』『さびしんぼう』の聖地です。さびしんぼうの主役の女優さん候補は、実はスペイン人と日本人のハーフの女の子だったって知ってた？
ココロのふるさと
2019年秋、因島での仕事終わりに尾道を訪れて再開発された駅前にびっくり、えジャイアントの自転車屋さん、確か後輩の彼女の家この辺だったよなぁ。駅前再開発で尾道も様変わり。でも駅東のアーケード本通り商店街はむかしのまんま、でもさびしんぼうだった。
国道2号線沿いは、むかしのまんまの変化ないのが逆に嬉しかったりして。檀上医院、そのまんま。そういえば学生時代の友人だんじょう君も広島出身だったなぁ。ルート2号線は、バイパスができたりして新2号線と旧2号線が各地である。今度クルマで国道2号線の旅でもしてみよう。
尾道と対岸の向島との間に形成される幅200～500mの水道。向島へと続く「しまなみ海道」上には、全長549mの新尾道大橋が架かっている。瀬戸内海の真ん中に位置するという恵まれた立地条件から、天然の良港として尾道は一千年前の平安時代より寄港地として栄えています。
その独特の町並や風光明媚な景観から、尾道市は平成27/2015年に【日本遺産】に認定されています。
2023年も尾道歩いてたら撮影現場に
福本渡船〒722-0073 広島県尾道市向島町
