【聖地巡礼】キテレツトキワ荘物語
眠れない夜があることは子どもの頃には知らなかった
公園の中に復元されたトキワ荘が建っています
「トキワ荘」その名前を聴いただけで、漫画好きなら「あ！行きたい」となるのは当たり前。ただトキワ荘は昭和57年に解体されて現存していません。姿カタチが失くなったものを豊島区がトキワ荘跡地から約300㍍の南長崎花咲公園・トキワ荘公園にミュージアムとして完全復元したのだぁ。これこそマンガだよねぇ。でも造っちゃった、鉄筋の建物の中に木造アパートもどきを。オモシロイよね。
令和2/2020年3月にオープンの予定が、中国発の武漢熱によって延期。そして7月七夕の日にひっそりと？！オープン。トキワ荘をそのまんまの間取りで復元しているので、入場できる人も限られてきます。30人もはいればもう十分満腹なので、ネット予約制で無料見学できます。
公園の入り口には記念碑が↓。台座部分にはトキワ荘に入居していた10人のマンガ家たちの自筆の似顔絵とサインが刻まれ、その上部にはトキワ荘のブロンズ模型。
60年前にタイムスリップ
トキワ荘は昭和27/1952年に棟上げされた、木造モルタル造りの2階建アパート。家賃は月に3千円。当時の物価は大卒初任給が9000円、うどん一杯30円の時代。それを今の技術で作り直したのがこの鉄筋の「トキワ荘ミュージアム」。入って驚き、たった今までそこに赤塚先生が逆立ちしてたり、藤子先生、石ノ森先生が居たんじゃないかと。
ここから生まれた作品のタイトルを見ても『ジャングル大帝』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『おそ松くん』『天才バカボン』『スポーツマン金太郎』『忍者ハットリくん』『ドラえもん』『パーマン』『サイボーグ009』『仮面ライダー』『星のたてごと』『ファイヤー』『マーガレットちゃん』『赤い自転車』、、スゴすぎ。
トキワ荘の住人たちが通った中華料理店「松葉」の名前入りラーメンどんぶりは、当時店で使用していた現物が残っており、それを分けてもらったとか。
玄関を入ってすぐに目につく軋む音が聞こえてきそうな大きめの階段。二階にあがって正面が便所と共同炊事場。ここの再現はもう驚きの域を超えてます。
トイレはなんだかプ〜ンと、目がしばしばしてにおってきそうなくらいのリアルさ。ただし見るだけで使用できません。昭和時代の下宿によくあったトイレだけれど、今はもう少なくなってきたもの。アサガオなんて呼ばれてましたよね。
さっきまでレレレのおじさんがお掃除してました
これと対比したらオモシロイのが、このトキワ荘が建つ南長崎花咲公園にある素敵なトイレ↑。こちらもマンガ漫画していて必見ですから、ぜひこちらでご用をたしてください。長居をしそうなトイレですから。
2階が復元されたマンガの殿堂
少し薄暗い広めの廊下、そう小学校の廊下のような。
その両側に4畳半の部屋が並んでいます。二階は13号室から23号室まで11部屋あったようです。その各お部屋が、展示室というかリアルなマンガ作業場。どんな部屋なのかのぞいて観る感じ。奥にはエレベーター完備で、こんなアパート今の時代あったらウケるかも。
窓の外には当時窓から見えてた風景が絵で再現されて居ます。これには秘密があって、当時の「トキワ荘」は木造、今の建築基準法では建てらません。新トキワ荘は鉄筋、その躯体の中に当時の「木造トキワ荘」が存在していると言うような造りなのです。それにしてもリアルな空間再現です、これぞクールジャパン。
もう失くなったモノ、残るもの
当時トキワ荘の向かいにあった電電公社の落合電話局が窓から見える風景に描かれています。公園入り口近くには、懐かし電話ボックスも設置されています。昭和の時代は遠くの人とリアルに話すには、この電話ボックスが重要で、その中でたくさんのドラマが実際生まれたんですよね。
彼女や彼の声を聴きたくてあなた、電話ボックスで電話しませんでしたか？ 彼女、お風呂に行っててベルの音がむなしく鳴るだけ、、そんな経験ありませんか。それが【昭和の情景】ですね。
天井や襖絵も必見です。ふすまの絵はなんと、トキワ荘住民であった水野英子先生が当時のふすま絵を思い出して、描いてくださったとか。雀が今にも飛び出しそうでリアルです↑。1階部分は企画展など行う展示スペースです。
「トキワ荘通り」と命名されている商店街には、トキワ荘の漫画家たちの作品を手にとってゆったり読むことができる「トキワ荘マンガステーション」、マンガに登場するラーメン屋さん「松葉」さんやミュージアムショップの「トキワ荘通りお休み処」があります。もうマンガ好きなら1日ここで遊べます。西武池袋線「椎名町駅」の駅のチャイムも秀逸です。これでいいのだぁ。
豊島区立トキワ荘マンガミュージアム ※ネット、電話による予約制です
公式サイト
開館時間/10時～18時
休館日/月曜（祝日の場合は翌平日）、年末年始、展示替え期間
入館料/無料（企画展は有料の場合あり）
住所/東京都豊島区南長崎3-9-22 南長崎花咲公園内
TEL/03-6912-7706
アクセス/都営大江戸線「落合南長崎駅」とほ5分、西武池袋線「東長崎駅」とほ10分、「椎名町駅」とほ15分
