岩と一体化した熊野磨崖仏
そそり立つ岩の壁などに掘った仏像を磨崖仏(まがいぶつ)と呼びます。それが数多くあるのが大分国東半島。大分県には全国の磨崖仏の6~7割が集中していると言われています。なぜ? なんだろうと。
九州では田の神さまと言う田畠にお地蔵さんのようにおられる石像があります。あれを初めてみた時、九州には元々こうした石像を造る人たちがたくさんいたのではないかなぁと。
熊野磨崖仏への入り口は、豊後高田市田染の田原山(鋸山)山麓にある今熊野山胎蔵寺。鬼が一日でつくりあげたと言う伝説のゴツゴツした階段をのぼること20分で、心安らぐお顔の磨崖仏にであえます。
周辺は観光地という雰囲気ではなくて修行の場への道のりのような感じです。ここを訪れる際は、必ずアスレチックシューズで。周りは自然いっぱいでサワガニがいたりします。自然のパワーを感じます。
すごい迫力、神秘的なお顔です
「不動明王二童子像」は約8mの半立像。腹部以下は刻み出されていませんが、崩れてなくなったという説もあります。その右に小さい童子像が2つあります。国内最古にして最大級の凄い迫力の磨崖仏です。
その隣の「大日如来像」は約6.7mの半身像。通常の大日如来に見られない、大仏さんのような螺髪である。彼方を見つめるような厳しい目つきで、凄みを感じさせます。岩と一体となった表現は不思議な感じがします。
神仏習合の地、国東半島
大日如来の頭上には、両界種子曼陀羅が刻まれていて、この曼陀羅と不動明王で、熊野山・金峯寺・大峰山を表して熊野三山信仰を彫像で表現したものです。
伝聞菩薩は宇佐八幡神の化身、生まれ変わりとして宇佐国東半島に約1300年前に神仏習合の原点となる山岳宗教「六郷満山」を開かれました。国東半島には31の六郷満山霊場札所があります。
アクセス
JR日豊線「うさ」駅より「富貴寺・熊野磨崖仏」行きバス「熊野磨崖仏」下車徒歩25分
クルマは国道10号線の立石駅付近より県道新城・山香線で平野のバス停「熊野石仏入口」から南へ2.5km
熊野磨崖仏 〒879-0853 大分県豊後高田市田染平野2546−3