獅子岩展望台からでも十分の眺め
天気の良い日に宮島を一日かけて楽しむのならぜひ午前中にご神体である山に登られることをおすすめします。海抜ゼロから標高535mまで自分の足で登り切るのも一興ですが、足に自信のない方は宮島ロープウェーに乗っての獅子岩展望台まででも十分。「あぁ宮島からの瀬戸内の眺めはこんなに素晴らしいんだ」って。
獅子岩展望台から山頂までは片道40分ほどアップダウンで登らなければいけません。ですからお昼過ぎ2時3時から山頂行って帰ってくるとなると、下りの最終ロープウェーの時間が気になります。ご自分の足で標高500mをくだるなら良いのですが、日が落ちてからの下山は大変危険です。弥山は大きな岩が多い、雨なんか降ると滑りやすい山道です。
宮島ロープウエーは二つ乗ります
紅葉谷とはその名の通り、秋のシーズンは紅くなった木々の間を散策する感じで嚴島神社の裏ってくらいから谷沿いの公園を登っていくこと20分。
駅に着きますが、紅葉やGW休日など観光シーズンは階段に長蛇の列ができます。ネットで前日までに予約しておくと、スイスイ乗れてしまいます。ここはポイントです。
瀬戸内絶景
紅葉谷駅から 榧谷/かやたに駅までは循環式と呼ばれる6人乗りのゴンドラが何台も連なった形のロープウェーで標高371mまで登ります。榧谷駅から獅子岩駅標高433mまでは、みなさん一度は乗ったことがある多人数乗れるゴンドラで一気に原生林の間を横に走り抜けます。
この時行き先左手に見える瀬戸内海の島々の姿は圧巻です。これだけでもロープウェーに乗った価値があるというもの。登山では木々が邪魔して、こんな形で見ることはできません。
着いたさきの獅子岩駅の横展望台には巨石がゴロゴロとあります。ここから瀬戸内の島々を眺めながらお弁当を食べるのも一興です。小雨の時に登ったこともあるのですが駅の2階にお弁当を食べるくらいのスペースがありました。このフロアから展望台の方へも抜けることができます。
日本三景の一の真価は頂上の眺めにあり
そう言ったのが昔の千円札の伊藤博文公(1841~1909)。三鬼大権現への信仰が深く、何度も弥山の三鬼堂へ参拝されたそうです。そして三鬼堂から山頂への山道がまだ整備されていなかったので、私財を投げうって登山道の整備を行ったというから驚きです。
つまり今わたしたちが山頂まで登る巨石群の回廊は伊藤博文公がつくってくださったんだ、そう思うと私たち民族は後世の人のために道をつくる、そういう精神があるんだなぁと。ありがたいことです。
山頂展望台、そこは360度のパノラマ展望
日頃から近所の山なんかに登られている方なら、山道もまた宗教施設もありますから参道も整備されているので歩きやすい山です。
宗教施設と言いましたが、もともと弥山と名付けたのが弘法大師空海さん(774~835)。
唐から日本へ帰国した際にここ嚴島に立ち寄られて、仏教の宇宙観に説かれる「須弥山」になぞらえ「弥山」と名づけ、806/大同元年に大聖院を開いたのがはじまりです。大聖院さんの奥の院とも言えるでしょう。
雲の上にそびえる弥山の峰の姿が、願望をかなえる玉の「如意宝珠」に似ていたことから、その山頂近くにお堂を建てて修行したのです。
修行の場所だったところには、弘法大師空海が祀った三鬼大権現の「三鬼堂」をはじめ、空海の護摩行の火を護る「霊火堂」など祈りの場が点在しています。
ここから10分も巨岩の間を登り切れば嚴島弥山の山頂へと辿りつくことができます。
海抜ゼロから登るなら
嚴島神社から弥山に徒歩で登るなら、コースとして三つあります。宮島ロープウェーの紅葉谷から登る紅葉谷コース、大聖院さんから御幸岩、滝宮神社、白糸滝、賽の河原、石畳と続く大聖院コース、大元岩海、巨大石、岩屋大師滝穴と登る大元コースがあります。登山で降りるのが夕方の方は明るさが残る大聖院ルートを使われた方がよろしいかと。
弥山山頂展望台 〒739-0588 広島県廿日市市宮島町 山に登られるのですから水分補給用の水筒ペットボトル、それとおむすびなんてのご用意を。島に渡られる前に本土側のスーパー、コンビニなどでご用意された方が無難です。