鬼が神さんと言われる不思議な国、日本
旅していると自然が穏やかで豊かな土地がある一方、こんな土地での生活は難儀だろうなぁと。それでも人は生きていく、それに税をかけてタダ飯食うのが上に立つもの。ほどほどならいいけれど、毎年上がる税では民はやっていけない。増税メガネなんて言われても平気な顔していられる、裸の王様。これは今に始まったことではないらしい。
鬼も人とおんなじだけれど、やりすぎると成敗される
鬼退治というと、桃太郎の鬼退治。桃太郎がいたとされる町が岡山。そこにある鬼伝説のひとつが「温羅の鬼」。凶暴で領民を苦しめていて、その鬼を退治しようと大吉備津彦命は矢を射る。鬼神も同じように矢を射る、双方の矢が空中で衝突して落つ。現在の岡山市北区高塚が双方の矢が落ちた場所、矢喰宮。この戦の時に矢を岩に置いた場所が「矢置岩」↓。鬼がいたのはここだけでなく、女木島や獅子岩と各地にいたようです。
民を苦しめる人々、神とまで言われてはいるが鬼。これってその土地の権力者を、民が面白がって鬼と表現してるんじゃないの? 見るにみかねて隣町のリーダーの神さんがその鬼を退治する。町村併合するみたいなもん。これって日本が長い歴史の中で、延々とやってきたことじゃないの。
鬼は晴れの豊な国岡山を手中にしていたうらと呼ばれた人、鬼👹。民たちの嘆きをききつけ、大和の国・中央政府から派遣されたのが吉備津彦さん。今でいう県知事さん。いまでもそうでしょ、へんなトップがいると、民はますます苦しくなる。
それを分かりやすいように記録したのが、こうした神さんの伝説であったり、桃太郎伝説であったり。それを「桃太郎電鉄」のように楽しむのが民。苦しめる鬼のような地方自治体には、刃向かえないけれど、どこからかすかっと首をすげ替えてくれるリーダーが現れると。
底辺の民を馬鹿にしてはいけない
風水害、地震の災害で苦しんでいる民からも税を取り立てていたのが日本古来のお役人様。それに対抗しようと暴動を起こしたのが仏教寺院のお寺にいる僧兵、そして一揆を起こした農民たち。富の分配をどうするか、それを自分だけに集中させようとする強欲者との戦い。
数%の人間だけの社会を許さないのがこの日本の社会。日本で儲けたお金は、周りを豊かにするために使う精神。それが解らない人が今はいる。誰のおかげで、あなたは儲かっているのかを。観光地だって誰かが寄付したお金で、そう浅草の雷門の大提灯もパナソニックの松下幸之助さんが寄付したもの。それが名所になって人をよびこんでいる。かたやお金を出してまで応援してくださるファンをないがしろにして、奈落に落ちる有名人たちもいる。
吉凶占いが行われているのが、ここ吉備津神社の鳴釜神事。たかが占いと馬鹿にするなかれ、日本社会はみんなの総意で成り立っている、だから占いでキョウ、狂、凶と出ればそのように進んでいく現実。「人に恨みをかってはいけない」とよく言われる。恨みを買うのはリーダーたちだ、給与が多いというのは、それだけ恨みつらみを買う重要な立場であるから。
神社で恨みを晴らすためにお百度参りをする人もいた。その人は、恨みのある人に逆らえない立場や弱さゆえ。ここ岡山のすぐお隣のAKR47・赤穂浪士47人⬆︎お家断絶、それでも公に恨みを晴らせる立場の武士もいる。
真金吹く 吉備の中山 帯にせる 細谷川の 音のさやけさ
大和朝廷が吉備地方に派遣した吉備津彦命が、人々を苦しめる地域のリーダー鬼神・温羅をこらしめた伝説が、のちに桃太郎伝説になった。「真金吹く 吉備の中山 帯にせる 細谷川の 音のさやけさ」と古今和歌集に歌われたお山は、たたら製鉄の鉄を吹くことで平安時代から製鉄の町としてここ吉備の中山は有名だった。それだけ富んだ町であったわけですね、だから権力を持つ鬼が出てきた。
鬼を退治するために、吉備津彦命こと桃太郎は矢を放ち鬼の目に当たる。鬼は血を流しながら逃げる、そのあとに現在もある血吸川ができる。鬼はキジに変身して飛び逃げる。吉備津彦命もタカに変身して追いかける。そしたら鬼は今度はコイに変身して川を泳いで逃げる。日本の戦隊モノに変身するシーンが多いのもこうした日本特有の変身文化から。吉備津彦命は今度はウに変身して、ついにはコイを捕まえて、犬に食べさせてしまう。月に代わってお仕置きした吉備津彦命は、鬼の首を吉備津神社境内に埋めます。
ある夜、吉備津彦命が夢の中で退治した鬼と出会います。改心した鬼はこれまでしてきた悪事を償うために,世の中のよいことや悪いことを釜をうならせて前もって知らせると告げます。それが吉備津神社に現在も伝わる【鳴釜神事】です。お釜殿で鳴動の音の大小や長短で吉凶を占うお釜殿鳴動神事が現在も行われています↓。
ご祭神/ 大吉備津日子命・大吉備津彦大神
鉱山や金属の神・金山彦命
吉備津神社、吉備津神社は仁徳天皇の代に創建されたと言われています。本殿と拝殿は室町時代に再建され,比翼入母屋造りの優美な建築様式が「吉備津造り」とも言われ,国宝に指定されています。たいへん大きな境内です。四季折々の花も美しく見所満載で少なくても所要時間は1時間以上必要です。岡山市街、まち中からは距離少しあります。JR岡山駅から吉備線で8.4キロ約20分。駅から神社まで徒歩10分。
〒701-1341 岡山県岡山市北区吉備津931
参拝時間/9時00分~16時00分