やま信仰とは
お山と日本では呼ばれている山が各地にあります。山には神さんがいらっしゃると。そんな神聖なお山のなかでも「三輪さん」と呼ばれて特別視されている山が奈良県桜井市にあります。東京的には「大神神社」と呼ばれますが、西日本に住んでいると「三輪さん」でさんが山なのかそれとも親しみをこめてか。
関西の私鉄の看板広告で「三輪さん」と掲示されているからかもしれませんが。
「大神神社」は「おおがみ」ではなく「おおみわじんじゃ」と読みます。また関西人にとっては、三輪と言えば素麺、揖保乃糸と三輪そうめんを食べたことのない人はいないでしょうね。
紀伊半島にある山々は、お大師さんの高野山から、山伏の修行の場である大峰山、南の端には熊野三山が。お山信仰なんてという方も、富士山に興味のない人はいないですよね。そして各地に日本一の富士のお山に似たどこから見ても円すい形の山を蝦夷富士/羊蹄山、利尻富士/利尻山、薩摩富士/開聞岳、讃岐富士/飯野山、お馬富士/仙丈ケ岳と呼んでますよね。またそうしたお山につきものなのが裾野から湧きでる美味しい水です。
春山は 散り過ぎぬとも 三輪山は いまだふふめり 君待ちかてに。柿本人麻呂
『古事記』『日本書紀』にも三輪山伝説として大物主神の伝説が記載されています。三輪山が神の鎮座する山と。古代より原始信仰、自然崇拝の対象であったとされていて、この周りにはヤマト政権の跡や邪馬台国の女王卑弥呼の墓と呼ばれている箸墓/はしはか古墳があったりします。徳川家は三輪明神さんを信仰していましたので、ここと深いつながりがあります。
もともと明治時代になり外国からの干渉で、かみさんと仏さんを分けたために日本では宗教を信じていない人が大半に成ったと、これも海外の人から言われるようになりました。今でいうお寺さんと神社は一体で、それに自然崇拝の象徴であるお山、巨石、墳墓などを拝んでいたのが私たちのご先祖さまです。
三輪山から日が昇り、二上山に日は沈む。
三輪さんと呼ばれるお山が御神体で、神聖なお山は禁足の地として守られていたのです。近代に入り特別に許可をいただき登ることができるようになりました。
お参りのための登拝ですから、お山の中での採取、火気使用タバコや食事は厳禁、最小限の会話にとどめ、また写真を撮ることもだめです。観光登山ではなく、言ってみれば修行のような登山です。標高は467Mですが勾配が激しく、体力のない方には辛いかもしれません。また祭日などは入山禁止になります。入山は大神神社からではなくお隣にある狭井神社で申し込み、社殿横から登ります。
動物たちの霊力を感じ取っていたのが、私たちのご先祖さまです。そのため、神社やお寺さんに動物の像があったりします。ここ三輪さん、大神神社の動物アイドルはウサギです。大神神社では「卯」の日に神事がおこなわれています。大物主大神は出雲の大国主神と同一神とされていて、有名な出雲の「因幡の白兎」の神話は知らない人はいませんよね。ウサギは拝殿のある場所から、少し離れた大きな「参集殿」↑前にちょこんと座ってはります。
もともとは一の鳥居のたもとにあった灯篭のトップに備え付けられていたウサギ
奈良の田舎の広範囲にあるのが「大神神社」
大物主大神の化身が白蛇だと言われています。そのため、大神神社の動物アイドルはシロヘビ。手と口を清める手水鉢は、一般的な龍ではなく見事な蛇がとぐろを巻いています。
拝殿前には、白蛇の住処のご神木「巳の神杉」があり、ここには生卵やお酒のお供えがあがっていました。金運がもたらされると有名で、パワースポットとして訪れる人が絶えません。
関西の人にとっては、奈良盆地にある大きな鳥居が三輪さんのシンボルと。日本一の大鳥居と呼ばれていますが、この大鳥居は昭和天皇ご親拝を記念し御在位60年を奉祝して建立されものです。この鳥居が一の鳥居ではなくて一の鳥居は別の場所にあります↓。
少し隠れた場所みたいなところにあります。鳥居の形が明神鳥居です。鳥居は神社にだけと思われていますが、聖徳太子が建立した四天王寺さんにも鳥居はあります。鳥居は世俗と聖地の境界線と呼ばれていて、鳥居をくぐると飲食もせずケガレを落として参拝すると。最近は他の第三国のかたが、大声をだしものを食べながら参拝をされていますが、文化を冒涜していると感じないのでしょうか。
ご祭神/国造りの神様として、農業、工業、商業すべての産業開発、 方除、治病、造酒、製薬、まじない、交通、航海、縁結びなど世の中の幸福を増し進めることを計られた人間生活の守護神として尊崇そんすうされている大物主大神/おおものぬしのおおかみ
配祀として 大己貴神/おおなむちのかみ 少彦名神/すくなひこなのかみ
大神神社 〒633-0001 奈良県桜井市三輪1422