
蛭児『日本書紀』『古事記』では水蛭子
『古事記』をはじめ書かれている「蛭子伝説」によれば、日本最古の神とされる伊邪那岐命イザナギノミコト、伊邪那美命イザナミノミコト夫妻は、和合の後に第一子をさずかる。ただ不具の子であったために3歳になっても歩けなかった。それで、葦の舟で淡路島から海に流されてしまう。
日本のチョウ有名な神さまといえば天照大神アマテラスオオミカミ、そのお兄さんに当たるのがこの流された子。天照大神と流された子どもの間には、第二子の淡島アワシマがおられます。知的障害を伴っていたとも伝えられている神です。
神戸にはそのヒルコ神をお祀りする蛭子神社があります。伊邪那岐命イザナギノミコト、伊邪那美命イザナミノミコトの第一子は舟で淡路から神戸の和田岬に漂着しました。よく耳にしませんか、漁船の網に観音様が引き上げられたとか、お地蔵様が引き上げられたとか。
考えてみてください、日本は地震や津波が多い国です。ツナミという言葉は英語でもTUNAMI。それが起こればどうなります。流されますよね、神さまが。それとでくわした漁民やその土地の人たちは、お祀りするのですよね。なんと心ねの優しい国柄なんでしょうか。
戎三郎さんがえべっさん
不具の子が神様であることは、世の中を豊かにすることを意味しているという説があります。障害を持つことで初めて社会の問題が気づけると。
神戸に流れ着いた神さまは、戎三郎エビスサブロウと呼ばれて育てられたと。驚くのは「戎」というお名前の人が京阪神には何人もおられます。実は私のお友だちにもおられます。もう西日本に住んでる方ならピンときますよね、そう「えべっさん」がその人です。えびす信仰は民間宗教だと呼ぶ人もいます。またイエスの宗教を絶たれた人たちの間では、恵美須と書いてイエスと読みます。熊本島原地方に行っていただければ、この恵須エスの文字をよくみます。
話が少し外れてしまいましたが、エビスという言葉は色々な漢字があり、またそれを調べていくとイイお話がいくつも出てきます。
いつも座っていらっしゃる神さま
流された子・蛭子は兵庫の津・和田岬に漂着したと言われています。「吾は蛭児の神である。湾の奥によき宮地がある。そこに遷し宮居を建ててまつってもらいたい」と。それが西宮戎ですね。流れ着いた神戸和田岬には和田神社があり、またその北にはその名通りのココ蛭子神社があります。
兵器の倉庫であったから、その名のついた「兵庫」の地名。先の戦争でも兵器の倉庫でありました、その兵器を朝鮮半島を守るために運搬する鉄道が計画されます。弾丸鉄道と呼ばれ、今の第二神明道路がそうです。関西に住む人は、なぜ一直線に近い道路が戦後できたのか不思議がりますが、この土地は日本政府が朝鮮への弾丸鉄道を引くために用意していた土地だったのです。

JR兵庫駅前
そのJR兵庫駅の近くにあるのが柳原えびす神社。柳原というのはこのあたりの地名です。街中にありますから、境内はそれほど大きくはありません。えびす神社のお隣には大黒さまを祀るお寺さんもあります。大黒さまは立っておられる姿を私たちは見ることができますが、なぜだかゑびす様はいつも座っている姿しか描かれていません。障害を持っておられたからですね。

お隣さんの大黒天さん
身が不自由であっても、人々を笑顔にするのがえべっさん。ここ柳原えびす神社も、1月9日宵えびすから10日の本えびす、そして残り福の11日のしまいえびすまで盛大なお祭りが行われます。
西宮えびす神社のところでも書きましたが、日本は一番が一番良いという考え方ではありません。二番福、三番福と後の方が良いという考え方があります。これは第一子の子どもがえべっさん、そして第三子が伊勢神宮にお祀りされている天照大神アマテラスオオミカミ。まぁ、神さまに順列はありませんが。
柳原蛭子神社・柳原えびす 〒652-0806 兵庫県神戸市兵庫区西柳原町5−20
主祭神/蛭子大神、大物主大神
