全市民奉仕のこれぞお祭りの基本
時代祭の行列はどのように成り立っているのか? これは京都全域から集まった市民組織「平安講社」の十一講社によって運営されています。
よく神社仏閣でみる◯◯講という文字。これは現代風にいうと◯◯マンション自治会町内会という非営利、でも自分たちの生活には欠かせないことを決定する組織とでもいいましょうか。講という集団でお金を出し合い、そして講の中で選ばれた人がそのお金で詣うでるといったことが江戸時代までは行われていたのですね。
時代祭は明治維新、江戸、安土桃山、室町、吉野、鎌倉、藤原、延暦の八つの時代を行列して歩いていますが。各時代の20行列に分けて各十一平安講社が1列ずつ担当しています。
江戸時代婦人列、中世婦人列、平安婦人列の行列は京都の五花街が輪番で奉仕しています。舞妓芸妓さんたちによる行列ですから、この行列をご覧になるために集まる人もいますよね。
時代祭のはじまり、それは都人の誇り
時代祭は平安遷都1100年紀年祭を奉祝する行事として明治二十八年にはじまります。京都の街は明治維新の騒ぎによって疲弊してしまいます。そして首都遷都。京都の町おこし事業の集大成として平安神宮が創建されます。
そしてその平安神宮のお祭りとして創始されたのが【時代祭】。京都の誕生日である10月22日に。今では総勢二千名もの人々が行列に参加する一大歴史絵巻。歴史好きにはたまらない演目。開催年ごとにテーマもあります。ここでの写真は2008年の源氏物語千年紀の時のものです。『源氏物語』ですから紫式部の行列もありました。
時代祭をご覧になるのにおすすめは、京都御苑の建礼門前の大通りの両脇が初めてご覧になるにはベストだと思います。京都三大祭りのうち五月の葵祭、そして十月の時代祭がここ建礼門院前から出発して市中へと出て行きますから。
ちなみにあなたが鉄道マニアであれば、おけいはん・京阪電車の京都行き8000系二階だて特急で大阪から三条京阪駅へどうぞ。なぜかは、二階建て車両をご覧になればわかります。
「一目で京都の歴史と文化を理解できる行列」
京都千年の文化を表現するのが、行列で使われる1万点以上の調度品、衣装、祭具など。これは時代考証が重ねられて、伝統工芸技術の粋を集めて復元されたもの。それをご奉仕の市民がまとって練り歩く。
私は外国人の方を見学させていて質問されるのが日本のお祭りのこうした踊り練り歩く姿の意味はなんなのだ??と。練り歩くことでその土地を鎮める、また神輿には神さまがおられますから神さまに町の様子をご覧いただく、そして一体となって祈るということです、と。
時代祭は平安神宮のご祭神である桓武天皇と孝明天皇のご神霊に京都を巡航していただき、市民の暮らしをご覧いただく。そして京都の、そして日本の平安を祈るというものですね。
10月22日/京都の誕生日(雨天順延)
7:00【時代祭】
祭典には平安講社総長・奉行が参列し、平安講社を代表して総長が祭文を奏上します。
8:00 【神幸祭】
二基の御鳳輦に御霊代をお遷しし、午前9時に行列を整えて神幸列が本宮を進発、行在所に向かい、午前10時頃建礼門前行在所に到着します。
10:30 【行在所祭】
崇敬者並市民代表が参列し、神饌講社(京都料理組合)より神饌が献じられ、白川女の献花奉仕があります。
12:00 【行列 進発】
建礼門前を出発、長さは2kmに及び約3時間の行程にもなります。
16:00 【大極殿祭並還幸祭】
全行列到着後、御鳳輦を大極殿へ奉安し、延暦文官参朝列の三位が代表で祭文を奏上します。続いて御霊代をご鳳輦より本殿にお遷しして祭典を終了します。
京都御苑の建礼門前 京都府京都市上京区京都御苑建礼門