難工事の末完成した神戸のシンボル
難工事で誕生したのがこの海に中に立っているような神戸ポートタワー。昭和37/1962年8月、神戸港開港90周年記念事業として工事がスタートし、施工したのは大林組。基礎工事で掘削を進めていた地下から海水が湧き難工事に。この基礎工事がしっかりしていたおかげだろうか。昭和38/1963年に竣工。元々は中突堤の先端にあったタワーでしたが、メリケン波止場が埋め立てられて今では突堤の根元に建つ形になっています。
平成7/1995年1月17日、この地を襲った大地震で、岸壁は崩れ、路面は波打ち、周囲のビルも大きな損害を受けました。しかし、神戸ポートタワーはビクともしませんでした。ほとんど損傷を受けることがなかったのです、それは驚くべきことだった。震災から間もない2月14日には、ライトアップが再開、あの震災で打ちひしがれた市民に希望のあかりを灯してくれました。
ポートタワーのライトアップを観るオススメは、タイトル写真のポートタワーとモザイクが観れるホテルオークラさんへ宿泊か飲食で夜景を観る。もう一つオススメは海の中にヨットのように建つメリケンパークオリエンタルホテルからの眺めは神戸の街の夜景をバックにポートタワーが。さらにオススメは神戸ポートタワーホテルからのポートタワーとオークラ、川崎ワールドとオリエンタルホテルの夜景もオススメ↑写真。
パイプがねじれているフォルム、でもホントは一直線
東京タワーは観光のためだけでなく電波塔としての役割がありますが、ポートタワーは当初から観光展望台として作られたタワーです。『平面的な港の風景の中で、高い展望台を作って港や船をながめられるようにしてはどうだろう』という提案を受けて、神戸港振興協会が建設しました。
上の写真はポートアイランドしおさい公園からのポートタワーと神戸港の夜景。毎年8月上旬には【みなとこうべ海上花火大会】が開催されます。
日本古来「鼓」をイメージした鋼管パイプ構造が採用され、世界初のパイプ構造の観光タワーとなり、世界初のライトアップタワーとなりました。この「つづみ型」タワーは、とても、ち蜜に計算された構造になっています。32本のパイプはそれぞれが一直線に斜め上部へと伸び、タワーのくびれ部で交差することで、なだらかなフォルムを見せて遠くから見ると、ゆるやかなカーブを描いているように見せています。その独特の構造は、それからの高層建築物のモデルの一つとなりました。
当初シルバーのポートタワー計画だった
はじめはシルバー1色で計画が進められていたポートタワー。曇った日には見えにくいなどを理由に航空法の関係で問題が出て、空と海の青色に鮮やかに美しく映える、現在の外側が赤、内側が白というカラーリングになったのです。
そして日本で初めてライトアップされた建造物がこのポートタワーなのです。その赤いライトアップは神戸が誇る1,000万ドルの夜景に絶妙なアクセントをつけ、全国的に有名になりました。最近では2005年から毎年10月1日に、乳がん早期発見の啓発キャンペーンの一環として、キャンペーンのシンボルカラーのピンク色でライトアップされるなど、社会活動にも貢献います↓モザイクから観たポートタワー、川崎ワールドとホテルオークラのライトアップ写真。
2009年12月から2010年4月までの大規模改修工事で、鉄塔の塗装の塗り直しをはじめ、7千個のLEDによるライトアップや光の三原色を使い40種類のイルミネーションが可能なようにリニューアルされています。
日本で初めてのライトアップされたポートタワー
見どころは、もちろん夜景です。タワーの中央本体部分に装飾された約7000個のLEDが映し出すさまざまな照明が神戸の夜景をより一層美しく演出しています。
神戸ポートタワーの見どころは「360度、ぐるりと1周回転喫茶室」。回転喫茶室スカイラウンジは、360度、20分でゆっくり床が動く空中の喫茶室です。まるで全席が特等席のようで、神戸の景色を全部堪能しながら、お茶やケーキがいただけます。夜は、ゆったりと流れるぜいたくな時間を楽しむことができます。
このポートタワー周辺は観光スポットがたくさんあります。神戸港を初めて訪れた方なら、神戸港めぐりの船に乗船して神戸港をめぐる旅。子どもさん連れなら「川崎ワールド」で乗り物めぐり旅や「アンパンマンミュージアム」へ。カップルなら「モザイク」へ。
【神戸ポートタワー】竣工/昭和38/1963年
住所/神戸市中央区波止場町5-5
行き方/JR・阪神「元町駅」から徒歩15分。地下鉄「みなと元町駅」から徒歩7分。