御祭神の遺徳を尊び、また古来の武具などを展示する施設
靖國神社に鎮まる英霊のご遺書やご遺品をはじめ、貴重な歴史資料を展示しているのが「遊就館(ゆうしゅうかん)」。常設展では、十万点に及ぶ収蔵品の中から、刀剣類・武具甲冑・武器類などの他、零式艦上戦闘機(ゼロ戦)を始め、人間魚雷「回天」、九七式中戦車などの大型兵器を含め約3千点を展示しています。
愛する故郷や家族のために、尊い命を捧げられた英霊の「みこころ」やご事跡に直接触れることによって、日本人として忘れてはならない、さまざまな事象や歴史を学ぶことができます。歴史の事実を知る上でも、ちょうオススメのミュージアムです。
Zeke零式戦闘機を観る
私はプラモデルを作るのが好きで、零戦なんてちょう大好き。もう何度観ても見飽きません。その零戦が入り口で迎えてくれます。世界で最も美しい飛行機と呼ばれているゼロ戦。零戦が正式採用された昭和15/1940年は日本固有の暦で皇紀2600年にあたり、下2桁が「00」になったため「零式」という名称になりました。当時は敵国言語のZEROとは呼ばれていません、レイ式が正式名称。
平成25/2013年夏公開されたジブリ映画、宮崎駿『風立ちぬ』は戦闘機の「零戦」を開発した「堀越二郎」さんという方の幼き日から描いている。彼は美しさと実用性を追求するこだわりの人で、ゼロ戦開発のためにねじ1本にまでこだわった。新軽合金「超々ジュラルミン(EDH)」をゼロ戦に使ったのです。子どものころ、超合金とかおもちゃでありましたねぇ〜男の子なら、なになに合金なんて大好きです。
実物を観ると、どういう作りになってるの
戦争=悪いものと片付けられ、戦争時代のモノが残っていない。でもゼロ戦に詰め込まれた最新技術、空気力学的に洗練された機体デザイン。そのための枕頭鋲、超々ジュラルミン、引き込み式主脚と尾輪など徹底的な飛行機の構造的軽量化や風抵抗の軽減は今では当たり前ですが、零戦からはじまった技術。これ、これ。
技術はこうして生まれ、全世界の人々の生活を便利にしていく。造船技術のプレハブ工法もそうです、今では家を作るのに使われています。こうしたことを知ることが出来るのがミュージアムです。「遊就館」には先の大東亜戦争関係のものだけでなく、戦国時代のカブトや刀なども展示されています。カブトは今では世界一と言われている日本製の自転車やバイクのヘルメット技術に生かされているのです。
大展示場だけでも見応えあり
展示物を細かく観ていくと1日では到底時間が足りないくらいです。常設展示だけでなく、企画展示もされています。私が訪れた2020年夏は、刀剣の企画展示がありました。とても大事な食事を作る際に、用いる包丁がそれはそれは美しいかぎりでした。
大展示場には飛行機、潜水艦、戦車、艦砲などの大型展示と、ガラスケースの中にぎっしりと収められた遺品の展示があります。南方や沖縄で収集された遺品の数々です。この持ち主の方々のおかげで今の日本は存在している。
思わず手を合わせたくなります。この方々のお骨はどうなったんだろうか。今なおその地に埋もれているんだろうか。激戦地硫黄島では、今もなおお骨が埋もれたまんまだとお聴きします。それでいいのだろうか、日本を守ってくださった方々。そのおもひに私たちは応えられているのか、疑問に思うのです。
遊就館〒102-0073 東京都千代田区九段北3丁目1−1
零式戦闘機にあえる施設
東京都:靖国神社遊就館 (52型)
山梨県:河口湖自動車博物館 飛行館 (21型×2、52型×1)
福岡県:大刀洗平和記念館 (32型)
鹿児島県:鹿屋航空基地史料館 (52型)
鹿児島県:知覧特攻平和会館 (52型丙)
アメリカハワイ州オアフ島:Pacific Aviation Museum(21型)