京都一番の通天もみじの東福寺
関東圏で秋になれば、有名になる地域とは?「そうだ、京都に行こう」ですね。「秋の宮島」って方も。首都からの自分たちの立ち位置からみた情報発信のために、西日本では「それがどないしたん」というニュースが多い。「そうだ、京都に行こう」なんてのも、「だから私らしょっちゅう京都行ってるし」でおしまい。京都、大阪、神戸の三都は仕事圏内で行き来もしてるし、肩肘張って京都へさぁ参るぞとはねぇ。
関西圏で育った人たちは、学校の遠足で奈良京都の文化に触れている。そして自分の町にも普通に古くからのお寺さんや神社があり、お祭りがある。これが意外と関東圏に行くとそうした感覚がない。だからあぁ「そうだ、京都に行こう」なんだと。漠然と京都に行こうと言われても、なんですね。
お寺さんはお庭を大切にされています。花を植えたり、もみじする木々を植えたりと。その日本庭園の美しさと古くからの建物のコントラストみたいなものを愛でる、これが京都のお寺さんに人が集まる理由なんでしょうね。
京都のお寺さんで紅葉観るならベスト
京都のお寺さん、どこを訪れても秋の雰囲気はたのしめます。そんな中でも、一押しのオススメは京都五山第四位の禅寺・臨済宗の東福寺派大本山「東福寺さん」。ちなみに関西ではお寺さんには、親しみを込めて○さんとか○はんとかつけます。神社には○○神社さんとは呼びませんが、祇園祭の八坂神社は「祇園さん」、京都の紅葉の名所でもある北野天満宮は「天神さん」と呼びますね。
ここで大本山とは、特別な位置付けをされているお寺さんのことで、真言宗なら総本山/高野山金剛峯寺。天台宗なら総本山/比叡山延暦寺。曹洞宗なら大本山/永平寺と。これは江戸幕府が、勢力を増す浄土真宗を宗教統制する目的で、本山と末寺を制度化したために、お寺さんのランクづけをし、統制して責任を上の寺に押し付ける日本的なこれまた文化です。
旅的な意味でいうと、大本山とか付いてれば、何かしらあるかなぁとみて観るべきです。一つだけのお寺さんではなく大本山なんてお寺は、その周りにたくさんのお寺さんがあります。ですからお寺さんめぐりにも最適。東福寺さんも25か寺の塔頭がある大寺院。
渡り廊下がもみじで埋め尽くされる
東福寺がなぜこんなにも京都の紅葉で有名かというと、まず第一にその規模、紅に黄色に変色する楓の数の多さ。そしてそれを地上からと空の上から自分の目でめでることが出来るという点。こんな場所は滅多にありません。
東福寺のお庭には「洗玉澗せんぎょくかん」という渓谷があり一筋の川が流れています。その上に橋がかかっているという風情で庭園が造られています。【東福寺三名橋】と言われる臥雲橋(がうんきょう)、通天橋(つうてんきょう)、偃月橋(えんげつきょう)。
中でも美しい形の橋が「通天橋」。ホントに眺めが良い橋で、ここからの紅葉を上から眺めると最高です。この橋は、本堂の仏殿と開山堂をつなぐために架けられた「修行の橋」です。
唐楓の黄色のもみじが特徴
「通天もみじ」という愛称まであるのが、葉が黄色にもみじする唐楓。円爾/えんに聖一国師が宋から持ち帰ったカエデ。葉先が3つに分かれ、手のひら楓の黄色とは趣が違います。落ちるときに濃い黄色が唐楓、薄いのが5本指の楓です。
もみじばかりに目がいきがちですが、お寺さん本来の姿も満喫してください。そうでないともったいない。日本最古の最大級の伽藍を持ったお寺さんですから。
オススメは法堂の中にある、今にも動き出しそうな龍の絵。日本画家・堂本印象がわずか16日間で書き上げたという渾身の傑作。
混雑を避けるなら、国宝でもある「龍吟庵」
東福寺は25か寺の塔頭がある大寺院、そのなかでも秋のシーズンオススメなのが国宝でもある「龍吟庵」。お庭がスゴイです。普段は非公開なのですが、「秋の看楓特別拝観」
のため期間限定で拝観できます。
私が子どもと東福寺さんを訪れた時の、コースとしては午前中東福寺さん、午後から世界一有名な【Exotic Japan】の象徴・伏見のおいなりさんへ。外国人で一番人気の神社といえば伏見稲荷大社でしょうねぇ。東福寺、お稲荷さん共に京都の碁盤の目からは少し南で外れています。これまた親しみを込めて呼ばれる「おけいはん」京阪電車に碁盤の目から乗って下ってください。
【東福寺】住所/京都府京都市東山区本町15丁目778
拝観時間/9:00~16:30(受付終了16:00)
拝観料/通天橋・開山堂 400円 本坊庭園 400円アクセス/お京阪電車「東福寺駅」降りてすぐ。