釜ゆでにされるよぉ。アッチあっち
京都の北野天満宮、ここに行くにはちょっとおもろい未知の道を行く。「この辺に妖怪がでるって聴いたんやけど」と地元の方に尋ねると「あぁ、百鬼夜行の道だねぇ」と。そして子どもに「釜ゆでにされるよ」と笑われた。
『今昔物語』や『宇治拾遺物語』にあるように京都は「京都魔界」と呼ばれた、妖怪と深いかかわりがあります。京都は碁盤の目といわれています。一番北の一条通りは、ふるくは人間と魑魅魍魎が遭遇する境界と言われていました。
平安京の北に位置して日常と外界の境、いまではそんな雰囲気もありませんが、その近くにあるのが京都大将軍商店街。北野天満宮さんの真南に位置します。ちなみに天満宮の西北が桜がいい平野神社さん、その西北が金閣寺で子どもでも歩ける距離です。京福電鉄北野白梅町から北野天満宮さんに行かれる方は是非、京都大将軍商店街を通って行かれることをおすすめします。
ほんまに妖怪おるん?子どもはホンマ喜びます
平安京は、風水や陰陽道に基づいて町づくりが行われました。大将軍八神社は陰陽道に則り「方除け」のために造られた施設で由緒ある神社ですが、観光客はあまりいません。パワースポットとして有名だそうで、妖怪ストリート見物の時はお詣りしてください。大将軍とは大陸伝来の陰陽道の星神のひとりです。八神社の八は8人の方位神が祀られているからです。境内に八つの星があります。
ただ子どもさん連れで注意して欲しいのは、ここだけでなく京都の道は道幅が狭くて、そこを平気でよそのナンバーがばく進し、角を曲がってきますよぉ。妖怪よりもいまではこっちの方が怖い。クラクションを平気で鳴らすのはいなかナンバーです。それを観た地元の方「あのクルマにはキツネさんが憑いたねぇ」と怖いこと言ってくれます。おはらいしてもらいましょう。
「あぁこわ!曵かれそうになった」と子どもが言ったら「だいじょうぶ、目に見えへん妖怪が助けてくれるから」と。僕は妖怪ではなく、ここで死んだ人たちのおもいが、残り町を守ってくださってるんだろうなぁと。こうしてまわりの人に依存しながら人は生きている。それがわからん人が多いなぁ、今は。
妖怪ラーメンって何?妖怪パンもあるでぇ
西大路から中立売通りまで400mの長さの商店街は、ローカル色が豊かなのんびりした、ただしクルマは来ます要注意! えぇ感じの通りです。お金をかけず手作り感満載の各店舗の妖怪がイィ。子どもは喜びます。四条の商店街とはちがい、ロコ度もあり、なんだか見慣れた京都ではない感じもします。
ちろん観光客相手のぼったくりの高い、しかも京都で作っていないなんて代物、その方が現代の妖怪みたいで怖いですねぇ。おみあげなんて売ってませんが、そこがまたイぃ。この辺の方が食べる和菓子を買って、おきつねさんにありがとうと言われ、美味しく頂きました。そんな歩き方が楽しいです。
毎年10月の第三土曜日には、妖怪たちがリボーン、百鬼夜行で甦るイベントがあります。またアートのフリーマーケット、モノノケ市のイベントもおこなわれています。
「北野をどり」まえの上七軒の舞妓さんに遇えることもある北野神社