実は日本で最初の美術館
「大原さん」というと関西人は京都の奥の大原の里をおもいだします。岡山では倉敷の大原さんが創った大原美術館です。岡山のキリスト系学校に行っていた同級生に聴いたのですが「大原さんはキリスト教信者だったから、あのエル・グレコの『受胎告知』の絵が美術館にある。病院をつくったり社会貢献をとんでもなくしている」。そして「あなた、なんで絵を描いているくせに大原美術館行った事がないの」と。バカにされながらそれとなくオススメされたのが大学入学したての時季。
仕方がないので夏休みに大原美術館巡り。絵を描くといっても、私のは漫画みたいなものだしなぁ。誰の絵が好きかなんて聴かれても【弓月光】って答えたら、大原美術館をプッシュしてくださった友人は大笑い。「私知ってる!『みんなあげちゃう』の人!あなた少女マンガのファンなの?』その友人が嬉しいことを言ってくれました。「自転車レースのマンガって、あるよねぇ。今では普通にロードレーサー東京中走ってるし、あの時あなたが自転車レースのマンガ描いたらと言ってあげればよかった」と。
この友人に語ったのは弓月光さんの漫画には外のコマにロードレーサーが描いてあって、自転車オタクの私はそれが嬉しくて。妹の週刊マーガレットぬすみ読みしています、ってファンレター送ったら弓月光さんご本人から手紙をもらった、なんて自慢までして。そのうち自転車レースとかのマンガも描くんじゃないかなぁと。でも少女マンガ家から男性マンガ家に転身。女性を喜ばせる下着のマンガ『甘い生活』が大ヒット、これには驚きました。そこにもロードレーサー出てきましたが。
今へんなことも明日には普通
西洋美術館っていま行っても退屈なんですね、ある部分。特に西洋美術の油絵なんて人物画だらけ、まぁお金を出しているパトロンのために描いているんだから仕方ないけどね。まだ自然を描いたものは日本には四季があるので、それなりにあぁいいなぁと思うのですが。でもどんな絵でも実物を観た方が良いに決まっている。
そうじゃなければ、私はこんな旅ブログ書いていないし。実物は大きさもわかるし、絵のタッチも解る。ドットで書かれているスーラの絵のようなものもあれば、ベタ塗りを重ねた絵もある。それを観て初めて気を感じる。実物を観ないとパワーなんて授けられるはずもない。
「スーラ」は、コンピュータグラフィックの世界では美しい丸GFont。『エヴァンゲリオン』のフォントは画家のマティスからとったマティス-EBフォントだけどね。フォントとその名前の画家の絵画と比べてみるのも面白いよ。ちなみにこのブログの写真に載せてあるフォントはマティス-フォントです。
大原美術館をはじめて訪れた時、美術の教科書で見たことがあるエル・グレコの『受胎告知』もあぁこんなにデカイ絵なんだぁ。迫力あるなぁ、聴くと観るでは大違い。人物画で感動したのは児島虎次郎の人物画。児島虎次郎さんは大原美術館を創った大原孫三郎さんがパトロンとして支援していた洋画家です。
彼はモネからパリで大原美術館にある『睡蓮』の絵を直接買い取った人だそうです。モネは『睡蓮』の絵をたくさん描いています。パリのオランジュリー美術館の円型展覧室の壁面全体の睡蓮がスゴイですが。あれって実際観るとなんかイベント的作品で、これ誰がどんな部屋に飾るんだ、、と。
キャンバスは無限大です
アドビのイラレとフォトショップをVer.3の時から使っているので、よく人から聴かれる中で、ふとこれが解らないだぁと思うのがコレ。人間はみている部分しか目がいきません。当たり前です。だけどコンピュータの世界というかイラレやフォトショップは画面は無限大なんですね。宇宙とおんなじ、だからとんでもないところに飛んでっちゃう😅自分からその絵や写真の大きさを決定しなくちゃいけない、だから「新規作成」の意味がある。自分から創るものなら、自分で好き勝手に決められる。F号キャンバスでなくてもいいの。それとキャンバスが一つではない点、二次元ではなくてレイヤーで何枚も重ねられる、この点も初心者は理解できない。油絵を描いたことがある人は、レイヤーは解るんだけど。それは油絵かく前に、一度キャンバスを好きな色で塗ったりするから。
一昔前は映画や写真はデジタルではなく、35mmフィルムと言っていたように幅が35mm、約1+3/8インチのフィルムでした。縦横の比率が決まっていた。それをA版の用紙に使う場合は、ちょうどいい感じ。でも今はPC画面で横長画像が主ですよね。でもでもiPhoneだと縦長になる。この辺の天地左右の比率が面白いなぁと。縦長ならオランジュリー美術館の『睡蓮』は映えますねぇ。でもiPhoneで観ようとなると、困るよなぁと。
美術館には1年に数回は行くべき
腹の足しにはならないけれど、色イロと考えることを教えてくれるのが美術館。そういう意味では大学生の時に美術館の楽しみを教えてくれた友人には感謝しています。
特にお子さんがおられる方には、ぜひ自分は興味が全くなくても連れて行って欲しい。子どもは素ですから、色イロ吸収してくれます。大原美術館の前は倉敷川の白鳥もいる美しい川があり、周りの景観が心を癒してくれます。散歩するにはちょうどいいくらいの徒歩圏内。岡山駅から倉敷駅までは15分、駅から倉敷景観地区まで商店街を抜けて15分です。それに大原美術館は、公立の美術館のようにカタイことを言わないので、子どもが少々騒いでても平気でした。この自由さがないと。フランスの美術館では子どもが床に寝そべって模写してたりしたので驚きました。
大原美術館
開館/9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日/毎週月曜日・12月28~31日
入館料(本館/分館/工芸・東洋館 共通)一般1,500円
高校・中学・小学生500円
〒710-0046 岡山県倉敷市中央1丁目1−15