変な名前と思ったアカメ
赤目の四十八滝を知ったのは忍者が川の石をまたぎ、そして滝の中に入り身を隠すというマンガから。白土三平さんだったか、それとも横山光輝さんだったか。
紀伊半島の南半分は日本独自の文化・山岳信仰の聖地でもあります。関西人なら知らない人はいない、腹を壊した時に飲む薬【陀羅尼助】は吉野大峰山や天川でつくられています。
「赤目」の由来は、日本独自の山岳信仰である修験道の開祖・役の小角(えんのおづぬ)が滝に向かって行を修めていると、不動明王が赤い目の牛に乗って出現したという伝説から来ているそうです。先ほどの薬【陀羅尼助】は、実は役の小角が作り出した薬だと言われています。山伏はこうしたハーブを使った薬の知識を持っていたんですね。
とてつもないパワースポット
役の小角(舒明天皇6/634年-大宝元/701年)は前鬼と後鬼を弟子にしたといわれ、自由に空を飛び回ったと言われています。
角川春樹さんで有名になった天川伝説の天河大弁財天社や大峯山龍泉寺の開祖としても知られています。私の好きな中森明菜ちゃんは、きっと愛しすぎたから、と天川伝説の中で素敵な歌声聴かせてくれます。
役の小角は飛鳥時代の呪術者で、大化の改新で有名な藤原鎌足の病気を治癒させたという伝説があるなど、不思議な霊力や薬の知識を持っていた方。
また、赤目の四十八滝から3キロほど西に伊賀忍者の祖・百地三太夫(ももちさんだゆう)の屋敷があります。不思議な力を会得する地がこの紀伊半島であったことは確かでしょう。
日本不動三体仏のひとつ
赤目の四十八滝の入山口にある滝寺『延寿院』に安置されている霊験あらたかな赤目不動尊は、目黒不動尊、目白不動尊と共に、日本不動三体仏の一つに数えられています。
そして、ほど近い護摩の窟は空海が護摩を修したところと伝えられ、現在は弘法大師さんの像を安置しています。このお寺さんには雷に打たれながらも、みごとなしだれ桜が咲きます。見た目はこじんまりしていますが、ほんとは大木だったんであろうお姿です。
赤目の四十八滝は大小様々な滝が4キロにも渡って続きます。ここを訪れるたびに感じるのですが、川がなんとも爽やかでこころを満たしてくれるのです。水のイオンパワーだと言う人もいれば、この地特有の不思議な力という人もいます。そんな不思議な場所ですから、一度は訪れてみてください。
往復して観るのには3時間は最低でも必要ですから、時間にゆとりを持って見学してください。足元が悪いので、意外とバテる人がいるハイキングコースです。渓谷内は滑りやすく足元要注意ですから、登山靴や長靴でハイキングされることをオススメします。入山料が300円かかります。入り口のところで、おむすびなどお弁当を販売しています。これ意外に美味しくてびっくり。滝がある山の中なので、もちろんコンビニなどはありませんがハイキングコース内には山の茶屋にはつきもののおでんも食べられます。トイレも数カ所設置されています。
アクセス
赤目の四十八滝は山の中ですが、アクセスは便利。最寄駅・赤目口まで近鉄・大阪難波や大阪上本町駅から電車で約1時間、名古屋からも比較的近くて、近鉄名古屋駅から約1時間半(特急利用・乗換あり)で着くことができます。赤目口駅からはバスが出ているので、終点まで乗ればOK。所要時間約10分です。ベストシーズンは紅葉と滝の秋、次に春。
関西や名古屋圏からは日帰りハイキングですが、宿泊施設が滝周辺にありますから泊まりで2日続けてハイキングもいいかもしれません。キャンプ場もあります。 初投稿日/2020年7月21日
赤目の四十八滝〒518-0469 三重県名張市赤目町長坂861−1