日本の歩き方、外国人向け
旅先で不思議に思うことがあるのです。それはなぜこんなところに外国人? って。それもその数が半端な数ではなくて。なんでこんなところにと。
そんな外人さんに人気の名所のひとつが、滋賀県にある「紅葉の名所、西教寺」さん。と言っても、関西人でもピンとくる人は少ないかも。紅葉といえば関東人は「そうだ京都へ行こう」で、もみじすると言えば京都のお寺さんですもんね。
関西人の紅葉はどちらかと言えば山に登りにいこうです。でもロープウェー、ケーブルカーのある登らなくてもよい登山もみじです。
滋賀なら比叡山、兵庫なら六甲山、和歌山の高野山。もみじ見物に一度はみなさん行かれるところです。せまっ苦しい庭園の1本のもみじするのを人混みのなか観るのもねぇ。まぁお寺さんでの禅修行と思えばよいのですが。
なんでここを知ってるの?
西教寺さんで聴きました、アメリカ人に。そしたら意外な言葉が。「ここ日本で、もみじで超有名なところでしょ」と。どこでこのお寺さんを知ったのか、と聴くとアメリカのマスコミCNNでだと。まぁ、日本で言えばリベラル系の朝日新聞社グループマスコミみたいなもん。だから王道は歩かない☺️本家本元の比叡山を外して、わざわざここに来たかぁ。
根掘り葉掘り聴いてみると。日本へ観光する人向けに、日本を紹介する記事の中で「ここはぜひ行くべき」というのを企画していて。
その中にランクインして居るのが「紅葉の西教寺」。確かにここ西教寺さんのもみじは素晴らしいんだけれど。
滋賀に来ていて、比叡山には行きました? と質問すると「行っていない」。アメリカ人の好きな禅宗のお寺の開祖も実は修行したのが比叡山で、そこは山全体が宗教施設と紅葉も素晴らしいんですよと。そこからロープウエー乗ってすぐに行けるよと。
人間の集める情報なんてこんなもんで、人気度とかベストテンなんかも、考えてみれば適当なもん。旅行先ひとつも国によって違ってくるんだろうなぁ。日本人なら当たり前の宗教施設といえば、高野山に、比叡山でしょ。パリのノートルダム寺院行くのとおんなじ感覚なんやけど、知らんけど。
高麗から来たお坊さんのお寺さん
聖徳太子の恩師である朝鮮半島・高麗から来た僧・慧慈、慧聡のために創建されたのが西教寺さん。推古天皇の26/618年に大窪山の号を賜り、天智天皇の8/669年に西教寺の号を下賜されたと伝えられています。かなり古くからの仏教寺院、お寺さんです。
元亀2/1571年の織田信長による比叡山焼き討ちで西教寺も同じく焼失。その後、近江国滋賀郡は明智光秀に与えられ、光秀はこの地に坂本城を築きます。その関係で、寺の復興にも光秀の援助がありました。明智光秀と明智一族の墓があるお寺さんでもあります。
一時期荒廃しますが、比叡山で修行さた真盛上人が文明18/1486年に入寺し、不断念佛の根本道場として再興されました。明治11/1878年に明治政府によって別派独立が公許され「天台宗真盛派」の本山となったそうです。
荘厳な風格を誇る本堂、伏見城の遺構を移したという客殿、その内部の狩野派による人物・花鳥襖絵など、紅葉以外にも数多くの見所があります。天台系仏教の一派である天台真盛宗の総本山として、400寺以上の末寺を有するお寺さん。
西教寺 御本尊/阿弥陀如来
〒520-0113 滋賀県大津市坂本5丁目13−1
開門/9時00分~17時00分 拝観料/500円
アクセス情報/お京阪電車「坂本」駅下車、徒歩で約30分です。JR湖西線「比叡山坂本」駅から徒歩で約40分。