弘法大師空海ゆかりの厳島弥山の三鬼神

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弥山の鬼神

日本人にとって鬼は神さま

鬼に家を襲われて、妹と生き残った竈門炭治郎。妹の禰豆子ちゃんは半分鬼に変身してしまっている。妹をおもう気持ちをまわりの人たちも共感する。そして仲間たちと立ち向かう相手は、鬼。弥山の三鬼

でも鬼も鬼になりたくて成った訳ではない、鬼の方にも兄妹愛があったり。鬼だって涙をながす。漫画『鬼滅の刃』を読んだ時、あぁやっぱり日本では鬼は悪モンではないんだぁと誰しも気づきます。弥山の三鬼

私は山伏の人から教えていただく機会があって、そこで鬼神信仰なるものを知りました。【三鬼大権現】と言う信仰があり、弘法大師空海が大同元/806年に、厳島弥山を開基した時、三鬼大権現を勧請して祀ったのがはじまりであるとお聴きしたのです。権現のとは「権大納言」などと同じく「臨時の」「仮の」という意味で、仏が神の形を取って仮に現れたことを意味します。弥山の三鬼

広島県廿日市市厳島の神さんの山と言われている「弥山」。お山の上に鬼神が鎮座する三鬼堂に祀られています、標高は約400m。大小の天狗を眷属に従えて強大な神通力で民衆を救うとされていて、地元では「三鬼さん」として親しまれているのです。

三鬼堂そう天狗さんは山伏とおなじと言いますね。弥山の三鬼

ほんの最近のお話

赤い鳥居の神社の向こうに五重塔が建ちここは一体神社? お寺さん? とみなさんよく疑問が湧きますよね。ここ厳島なんて、そうですよね。私たちの頭の中では明治政府、GHQが行ってきた神社とお寺さんを分けて日本人の宗教心や信仰を断とうとした政策に翻弄されているだけです。また宮家、神社、天皇という意図的な結びつきをしたせいですね。宮島弥山

唯一神を信仰する西洋人にとって、自然崇拝の八百万の神を信仰する日本人は扱いにくかった。神業とも呼ばれる技を習得している日本人を今でも西洋の人たちはこわがります。西洋の人からみれば、日本人は鬼かも😘弥山本堂

二千年前は自然信仰であった私たちが、色々な人種の人たちと和合していく中で、色々な宗教も取り入れていった。その中には同じ仏教なのに北朝鮮からきた新羅仏教と南朝鮮からきた百済仏教なんて喧嘩し百済仏教は衰退。またキリスト教もザビエル以前に入ってきていたと言われますね。宗教とは喧嘩戦争の火種になるから、それを知って聖徳太子なり、弘法大師空海は権力から宗教を遠ざけようとしたんですよね。

弥山本堂

弥山本堂

お大師さんはここ安芸の嚴島神社と敦賀の氣比神宮を高野山よりも重要場所だから、何か大ごとがそこに起きれば高野山を投げうってでも護りに行けと。ここ弥山は修行の山としてお大師さんが開き、そして弥山山頂 /535mから10分ほど下がったところの広場に弥山本堂、三鬼堂、霊火堂があります。

虚空蔵菩薩さま@弥山本堂

虚空蔵菩薩さま@弥山本堂

弘法大師の開基806年の弥山本堂には、治承元/1177年に平宗盛が寄進した国重文である大梵鐘↓が安置されています。御本尊は虚空蔵菩薩さま⤴︎。平宗盛が寄進した国重文である大梵鐘

日本唯一の鬼の神さまを祀る

日本唯一の鬼の神さまを祀る三鬼堂は、商売繁盛にご利益があるといわれています。

「福徳」を司る鬼神・追帳鬼神は大日如来さまの仮のお姿・化身だとされています。
「知恵」を司る鬼神・時眉鬼神は虚空蔵菩薩さまの仮のお姿・化身だとされています。
「降伏」を司る鬼神・魔羅鬼神は不動明王さまの仮のお姿・化身だとされています。この三鬼さん共に善い心を持つ鬼。なんだか漫画『鬼滅の刃』にでも出てきそうな。三鬼堂

ここで皆さんが不思議に思われるのがなぜ? 神さまが仏さん? これ仏教が本格的に日本へと入ってきたときに、百人一首で「高砂の 尾の上の桜 咲きにけり とやまの霞 立たずもあらなむ」と詠んだ大江匡房さんが【本地垂迹説】を唱えて、仏が神の形を取って仮に現れたと、まぁ神道と仏教を合体させた。

三鬼堂

伊藤博文公の筆、三鬼信仰が厚くたびたび参籠に訪れ、当時七千円、現在の価値2500万円相当の浄財を出して登山道を整備しました

つまりは元々の日本土着のアニミズムも含む神さまと朝鮮半島からもたらされた仏さまの勢力が喧嘩せんようにと。これが日本の和合というやり方なんですね。宮島弥山

物部氏、蘇我氏の争いに代表される、古墳時代から続く自然信仰神と厳格な位を持つ仏の闘いが日本にはあったわけですから。仏教と日本古来の神々への信仰との間を少しでも垣根を取り払い融合しよう、取りまとめようという考え方。唯一神もいなければ、この菩薩が一番!という優劣をつける考え方もない。

三鬼堂

三鬼堂から観た霊火堂

まぁ一部の新仏教では●お経と●菩薩なんて人も居るかもしれませんが、それが喧嘩間違いの元。一番偉いという考え方が弊害を産むだけだからと。まぁ一番=政党政治に介入=権力=お金=げの人間であるからですね。こんな事未だに言っている人は、アホですよ、もう千年以上前に日本人なら解っていたんですから。

霊火堂

霊火堂

広島の平和公園に「平和のともしび」のもと

お大師さんが千二百年前唐からの帰りにここ厳島に立ち寄られて、山の姿が須弥山に似ているところから弥山と名づけ、御堂を建て100日間の求聞持の修法をこの地で行われた護摩の火が、今でも消えずに守られているのが「霊火堂の消えずの火」。鉄釜が火にはかけられていて、このお湯を飲むとご利益があると言われています。霊火堂の消えずの火

またこの消えずのありがたい火は、平和公園に「平和のともしび」や阪神淡路大震災「1.17 希望の灯り」のもと火となっています。お大師さんに守られているともしびですね。こうした事を大切にするのが私たち日本人なんですね。

霊火堂の消えずの火

大茶釜で沸かした霊水を飲むと、万病に効果がある、幸いが約束されると云われ、お茶をいただくこともできます

弥山三鬼堂 〒739-0588 広島県廿日市市

アクセス/宮島ロープウエーを二つ乗って「獅子岩」駅下車。あとはテクテク歩いてこ1時間。
開門/8時00分~17時00分

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