誰でも知ってる風神雷神
中高生の時、なぜだか日本画家になろうなんて思い、京都の寺院の襖絵などを観て歩いてた。中でも建仁寺の【風神雷神図】が大好きで、模写して年賀状にその絵を描いたところ、親父の友人・濱田さんから「これで絵の道具でも買いなさい」とお年玉だったか? お小遣いをいただいた嬉しい思い出があります。
その俵屋宗達の【風神雷神図】を写真スキャンして再生した作品が出来上がったということで京都建仁寺へ。金屏風のバックに写真を撮ってガッカリ😮💨したことありませんか。プロカメラマンですら、嘆いてましたから。今でこそ金屏風の前で記者会見なんて無くなり、パトロンボードの前でインタビューが普通ですが。なぜ金色に映らないか、これ光があるから色がある「根本」を忘れているから。そんなこともあり、風神雷神図はどんな写真仕上がりなんだろ、金色は? 盛り上がった絵の具感どんなんだろうと。
せっかくなら紅葉の名所でもあるのでお庭も観ようと。
建仁寺は大きなお寺さんで、庭だけでなくここに奉納された襖絵、天井画など見所満載のオススメのお寺さんです。このお寺さんがスゴイのはそうしたお宝を写真を撮っても良いのです。
土御門/つちみかど天皇の建仁時代
その名がついた建仁二年に開創されたお寺さん、臨済宗建仁寺派の大本山です。山号は東山/とうざん。ご本尊さまは釈迦如来さん、開基・創立者は源頼家、開山は栄西禅師。「京都五山」の一つで、京都東山にあり「八坂の塔」で外国人に超人気スポット・法観寺さんは建仁寺の末寺です↓
豊臣秀吉を祀る高台寺↓も、建仁寺の末寺です。つまり昔はそこまで建仁寺さんの所領だったんでしょうねぇ。
また最近のパワースポットブームで人気があるのが禅居庵/ぜんきょあんさんがある巨大なパワースポットですね。摩利支天堂/まりしてんどうという別名もあります。本坊から遠く、迷路みたいなところから行くので、意外と行く人が少ないのが不思議です。
建仁寺は明治時代前までは今の敷地の倍以上の広さがあったと言います。廃仏毀釈、神仏分離の法難で、国家に土地を取上げられています。権力とはそういうものです。国家に取られて、建仁寺さんのお隣にはJRA馬券場がありますよねー
簡素に生きることが、一番のしあわせ
Apple社を創ったSteve Jobsさんが【禅】が大好きだったということで、なぜだか外国人に質問されるのが京都の禅のお寺さんのこと。中には「お寺さんは全て禅寺で武士、忍者と繋がってる」と勘違いしている外人さんもいます。
農民や庶民のために空海さんの密教があって、武士が信仰していた禅宗というのは厳しい教えと質素で質実剛健があって、とか説明してもあまり理解はできないのよねぇ。
「なぜあかの他人のために神風特攻するのかが、集団で生きることを軽視する西洋文化では理解できないんとちゃう」とある友人の和尚さんに言われましたね。
「物資などで豊かでないことが武士の誇りと言っても理解されないのが私たち日本人のもととなっている考え方。そして直感や周りを信じるという考え方も、外人さんには理解するのが難しいようだ」と。
一休さんのとんちが禅をよく表してますよね
禅問答というのがあるけれど「世界を表しなさい」と言われて、丸三角四角描いて「はいこれが世界であり、宇宙です」と。
密教の六大思想を□い地、○い水、△の火で象徴的にあらわした、宇宙の根源的形態。寺院やお墓でみかける四角の上に丸い石が乗り、そして三角の屋根みたいなのがついてという石塔、あれが地水火風空識ですね。
○△□の庭
建仁寺で一番不思議な感じがするのがここ。素通りする人も多いのがここ。そしてじっと魅入っている人がいるのもここ。意味わからないんです、それでイイのです、そんな感じ。
これが【禅】なのだ、それだけ。
人間を汚すのは人が多いところ
直観、運命、命、カルマ、何かしらを、あなたは信じなければならない。私の人生はいつも、信じることで変わったのだ。
人がたくさんいるところでは、そう真横に気に入らない人がいれば、人は間違った判断をしてしまう。何かにみいられる、何かに邪魔される、それが都会と言われる人が多い場所なんでしょ。
そんなことを私は建仁寺でオモイマシタ。それだけです。考えることをしたい時に行かれるとよいお寺さんだとおもいます。
建仁寺 〒605-0811 京都市東山区小松町584番地
開門時間/10時00分~17時00分
定休日/4月19日~4月20日、6月4日~6月5日その他、法要のため休止日有り
本坊拝観/600円、中学・高校生300円、小学生200円