梅といえば、天神さん@Kyoto北野天満宮
日本で梅といえば「東風吹かば」の菅原道真公と誰でもが知っています。あほぉだった私は、おばあちゃんから「頭が良くなるから天神さんにお参りしぃ」とよく言われてました。また好きな落語に『初天神』があり、天神さまの縁日で飴玉こうてもらうシーンが好きで。自分の子どもには縁日といえば「飴玉」を買ってやると。
菅原道真公はお誕生日、ご命日ともに25日ということで、25日は天神さんの日。1月25日は初天神、2月25日は大祭、7月25日は誕生祭、12月25日は「おさめ天神」として全国各地の天満宮、天神社でお祭りがあるのです。お初天神や大祭の日は、ちょうど受験シーズン前ということで、お参りに行かれた方も多いのでは。
北野天神さんのお祭りは、縁日が出ていておしゃれで楽しいです。参道は昔ながらの飴玉屋さん、りんご飴、玉子焼き。裏ってての駐車場になっている界隈には植木屋さんやお花屋さんなんかも出店。観て歩くだけで、ワクワクしてきます。大人でもそうですから、子どもだったら「あれ買ってくれ、これ買ってくれ」となるよね。
子どもを見守ってくれる道真公
落語の中のお話だけど、飴の次はみたらし団子、そして凧を買ってもらった子ども。そして境内で凧揚げをする。それくらい神社の境内というのは広いということですよね。でも、都市部の神社の境内は凧揚げできるほど大きくはないの。
でも京都の神社は広い境内を持つところも多い。だからそこに集まり、人と人の輪ができ、コミュニティー/講が生まれる。そこから、人と人が協議してお祭りが生まれる。これって民主主義の元みたいなもんですよね。毎月25日の天神さんのお祭りの日なんて、人の輪だらけ。
昔あった講のシステムなんて、メンバーみんなで会合してお金を出し合い、代表者を熊野詣でやお伊勢参りに送り出す。また講の中でお祭りの役割分担を決めるなど、日本は昔から協議してみんなで決めようと言う文化があった。だからどこの町にもお祭りがある。それを行なっているのは地元の人たち。
これを壊そうとしたのが、多分占領軍がやろうとしたことなんでしょうね。それが個人主義の蔓延、お祭りなんて関係ない、宗教を日本人から取り上げろ。そしてキリスト教の奴隷制度、拝金主義を持つ西洋文化の個人主義なんだろうねぇ。自分のお金は自分のためではなく、講のみんなで決めて有益に使おうと。だって海外で、赤の他人の子どものために横断歩道で見守ってくれる人やタダで掃除してくれる人は居る。
梅には薬用効果が高い
梅といえば梅干しを思い出す人も多いでしょうが、梅は漢方薬として薬効が多い花です。梅の香り自体にも効用があり「酢酸ベンジル」という甘くやわらかな香りが鎮静効果があります。北野天満宮さんの「梅苑」を散策して居る人たちがみなさん幸せそうに観えるのも、この香りの効果ですね。
梅の花自体にも効用があり、乾燥させたものを健康維持や体のちょっとした不調に使ったりもします。この梅の花を道真公はことのほか好んだと言います。「梅の花 主なしとて春を忘るな。菅家」の和歌から、天満宮さんには梅の花が植えられているのです。
この和歌のことを友だちに語り合ったことがあります。その子は菅原道真公のことをあまりにも知っていて不思議でした。今おもうとその子の名前・菅原さんを忘れてた自分がおかしくおもえて。
はきだす言葉に意味を知らなければ
神さんって、日本では普通の人だった人が神様なれる国。和気清麻呂しかり和気神社、豊臣秀吉しかり豊国神社、楠木正成しかり湊川神社、そしてこの北野天満宮。
北野天満宮さんの梅の時季はぜひ一度訪れてみてください。梅のかほりに癒されて、そして北野の横にある上七軒の舞妓さんや芸妓さんからお茶をいただく、こんな贅沢はありません。秋の紅葉も素晴らしい景色です、ぜひ。
北野天満宮さんの梅花祭の【野点大茶湯、野点大茶湯】は、超オススメです。京都の花街である上七軒の芸舞妓が点てたお茶をいただくことができます。野点拝服券は、宝物殿拝観券、撤饌/てっせん引換券付きで2,000円です。
北野天満宮「梅苑」2022年公開期間/1月28日(金)~3月21日閉苑。ライトアップは2月25日(金)~3月13日(日)の金・土・日。公開時間/9:00~16:00、ライトアップ期間は20:00まで。入苑料/大人(中学生以上)1,000円こども500円。
東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな『拾遺和歌集』
梅の花咲く北野天満宮602-8386 京都府京都市上京区馬喰町